愛しの御主人様1


幸村(社会人)総受け。佐・幸・政・就・三・家・親・慶。ちょいファンタジー。

2/22は猫の日か…そういや、書きたいのがあったな、と当日に思い出して。
幸村が猫耳になったりしない、残念な珍文。ほのぼのギャグ。…多分。

描写は多くはないですが、佐vs政、就vs三、家vs佐・政・三など、前半カオス。いつもな感じで、すみません;
後半は、この世界では可哀想な慶次を、ガッツリ贔屓。

※彼らの中で、私が「っぽいなー」と思ってるキャラが、猫や犬になってます。幸村は、人間。

なので、ほんの少しだけスキンシップが高い…?ですかね(^^;
動物だけど、人間時とほぼ変わりません。食べるものとか、色々。全てスルーで…m(__)m

(全3ページ)













雨の日に一匹の仔猫を拾って以来、つい同じことを繰り返してしまい…

現在、幸村の家には猫が四匹、犬が一匹。
しかし、全員利口な性格で、エサなどは自力で賄う。幸村に捨てられまいと、日々必死。(彼は気付いていないが)

彼らは、皆幸村のことが大好きなのだ。



『旦那ー旦那ー、起きて〜』

ぺろぺろぺろ

「んー…あ、…やめぬかぁ…」

くすぐったそうに笑う幸村の頬っぺたを、尚も舐め続ける一匹。

この家の一番の古株、サスケ(オレンジ猫)


※彼の言葉は、幸村には聞こえていません。


『旦那の寝顔、かわいー。このまま口にしちゃおーかな。猫って、ホント便利な生き物〜。…でも、やっぱり…』

↓サスケの脳内劇場↓


「旦那、俺様人間になれたよ!」
「(ピノ○オ…!?)…さ、サスケなのか?しかし、耳は元のままであるぞ」
「ん?こっちのが良くない?旦那、耳撫でてくれるの好きでしょ〜?俺様も好きだし!」

ごろごろごろ

「何だ、猫のときと変わらぬぞ(笑)…よしよし」
「ありがとー、…じゃ、お返しね」
「ん?」

すりすりすりすり

「ぬわっ、…こら、撫でるなら手で…っ」
「んー…?だぁって、人間になったばっかだから、まだこっちのがやり易いんだもん」

はむはむ、ぺろぺろ

「ちょ、やめ、サス…くすぐったぃ…っ」
「すぐ良くなるから、力抜いて…旦那(無駄にイイ声)」
「(のぁぁぁあ…!)」


……………

──とかね!


ヘラヘラしながら、現実の再び眠る幸村の首元に、身体を埋めると、


「…っ、…ん…」
『?旦那?』

幸村から、どこか苦しげな声がしたかと思えば、


『Ahー…やっぱ、ここが一番あったけぇな。heaven、heaven』

満足そうな顔で、幸村の懐の中で丸くなる黒猫──マサムネ殿。

↓マサムネの脳内劇場↓


「マ、マサムネ殿ぉ!?」
「Haha、俺はな、悪い魔法使いに呪いをかけられた、さる大国の王子だったんだよ。やっと、この姿でお前と会えた」
「何と…」

「完璧に人間に戻るためにゃ、儀式が必要なんだ。お前…力貸してくれるな?」
「某…?──ゃ、っ…!?」

すりすり&ぺろぺろ

「ぅぁ、マサムネ、どの…っ、それはっ…」
「何だよ、アイツと同じことだろ?」
「ちが、…っ、場所、ちがぁッ──」

懐を開かれ、胸に顔を突っ込まれ、幸村は…


……………

──とかよ!(*●∀´*)











「うー、ん……?」


ドタタタタ!

ぎにゃにゃにゃにゃー!!

バリバリ どしゅどしゅ

…………!

………!……!!


(…今朝も元気で、何より)


可愛い彼らの遊び部屋は、壊れても良い物ばかり置いている。

幸村は、少し離れた先から聞こえてくる炸裂音に、ほわほわと笑みをもらす。


「さぁ、皆ご飯でござるぞー」

(朝のエサだけは、幸村も与えるチャンスをもらっているのだ)


あの二匹は戻って来ないが、他の一匹がテトテトとやって来る。

綺麗な焦げ茶色の猫の、モトナリ殿。


『朝の始まり、脳の目覚めには炭水化物…』
「モトナリ殿は、ほんに良い子でござるなぁー。こんな猫まんま、今時の猫殿たちは、食べておらぬであろうよ」

うりうりと頭を撫でると、気持ち良さそうに喉を鳴らす。


「モトナリ殿は沢山食べてくれるので、見ていて嬉しゅうござる。また、お菓子を買って来まするのでな」
『うむ、大義であるぞ』

↓モトナリの脳内劇場↓


「夢のようですなぁ。こうして、モトナリ殿と一緒に、甘味を食べられるとは。嬉しい限りです」
「…それは、良かった」


はぐはぐ、もぐもぐ

(流れる、幸せムード)


「──幸村、付いておるぞ」
「ぬぉっ、お恥ずかしい!」

幸村は手を口元にやるが、

「右の方だ、舐めて取れる位置ぞ」
「んっ……いかがでしょう?」
「…少し、遠かったか」

そう言うと、モトナリは幸村の眼前に近付き、


──ぺろり。


「……!……!?!?」
「(取れたぞ)…ん、」
「ふぇぇ!?」

人的に言えば大胆な『口の端ペロリ』を為した上、その食べカスを、舌の先に乗せたまま、差し出してくるモトナリ。


「(食べぬのか?美味であるのに)」
「(ひぇぇぇぇ、どどどうすれば…!)」


『びっしぃ!』


──鋭い痛みがモトナリの舌を襲い、たちまち現実へ。



「おお、これは珍しい!さぁさぁ、こちらへ」
『………』

モトナリを威嚇するように毛を立てるのは、これまた綺麗な、銀色の毛並みの一匹。

偏食でエサ嫌いの、ミツナリ殿だ。

モトナリが、現実で取ってやった、幸村の頬に付いたご飯粒。
奪ったそれを、ミツナリは「ぽいっ」と外へ放る。


『……』

しかし、モトナリは四匹の中でも一番年長のためか、大人げなく怒りはしない。だが、冷めた風に去っていった。









「さぁ、少しは食べぬと」
『…要らん。必要な栄養は摂っている』

ツン、と顔を背けるミツナリ。


「(しゅん…)やはり、某の作るものは、口に合わぬのか…」
『う…』

「ミツナリ殿、まだ仔猫であるのに…。どうすれば、食べて下さるようになるのであろう…」
『ゔ、ぅ…』

↓ミツナリの脳内劇場↓


「──え…っ?あ、あなたがミツナリ殿ぉ…!?」
「そうだが?」

幸村は、目を丸くし、

「こ、このように立派な青年だったとは…!某てっきり、まだまだ子供であるのだとばかり…」
「…やはりな」

ふん、と鼻を鳴らし、腕を組むミツナリ。


「これで理解したか?…であるなら、もう無理に食わそうとするな」
「うーむ……しかし、猫殿たちの中では、一番年若なのでしょう?やはり、しっかり食べておかねば…っ?」


一瞬の間に、幸村は背中を地に着いていた。

…ミツナリが、上から覗く。


「もう、仔猫では…子供ではない。それを、今から飽きるほど証明してやろう」
「えっ、…ぇ、…あの…?」

「先に断っておくが、手加減は一切できん。…最も『年若』であるからな」
「な──」


『ピンポーン』


──現実の、玄関のインターホンの音により、妄想終了。

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