真実の愛4
「…け、…佐助…っ」
(旦那……?)
「!佐助!良かった、佐助…!」
(え?これ、夢…?)
佐助は、幸村が自分の首回りに抱き付いているのを、信じられない思いで見ていた。
周りは白い…病院のベッドのようだ。
「何故…っ、何故二人とも、いつもいつも俺ばかりを優先するんだ!俺は、もうあれ以上、二人を嫌な目に遭わせたくなかったのに…どうして!」
「…俺様…戻って来たの…?」
「佐助、よくも殴ったな。俺に胴衣を着せようと…。政宗殿も…」
佐助は、ハッとし、
「旦那、あいつは!?どうなったの?」
「……」
幸村の目から涙がこぼれ、佐助の顔は紅潮していく。
「あっの、馬鹿…!てか、あのサギ天使!約束が違う──」
「え?」
佐助は、目を見開く幸村の肩に両手を乗せ、
「旦那、待ってて!あいつ探して、すぐ替えてもらうから!だって、答えはあっちだったんだから、二つとも」
「こ、答え…?」
「俺様でも、分かってたからさ。旦那があいつに惚れてるって」
「え?」
「ムカつくけど、他の奴よか大分マシだし。馬鹿だけど、曲がってはない、…俺様みたいに」
「……」
「…いつも、あいつは旦那を守ろうとして…。──だから、二番目にチェックしたんだ。旦那を任せるには、全然頼りない馬鹿だけど…、隣にいる旦那の顔が、それを吹き飛ばすくらい…俺様も安心できるやつ…だか…ら…」
佐助の声は、小さくなっていった。
今度は、身体を包み込むように腕を回して来た幸村と、
「Hu〜m…。初耳だぜ、幸村は俺に惚れてたなんてなぁ…」
──ドアの前で、背をもたれながらニヤリと笑う、その姿に。
「──政宗殿!気付かれたのですな…っ!」
「Ah〜。覚めたら、お前いねーんだもんよ。命の恩人に、ひっでぇ仕打ち」
「政宗殿!」
聞く耳持たず、幸村はガッシリと抱き付く。
「…あいつと違って、何か色気ねぇけど……まぁ、良いか」
政宗は、眉を下げて笑う。
そして、呆然とする佐助へ、
「…答えは、やっぱいつもの俺ららしく、同じじゃなかったんだよ。──お前、今度ちゃんと見てみろ。お前の横にいるときの…隣の奴の顔」
幸村は、そんな二人の会話など全く耳に入らない様子で、子供のように泣いていた。
…ただし、今までで一番最高の笑顔で。
(…やっぱり君には、それがよく似合う──)
死神、じゃあないんだからね。
ギリギリ一応は……さ。
天使は珠を懐に入れ、以前より大きくなった羽を広げ、青空へと飛び立った。
‐2011.8.26 up‐
あとがき
読んで下さり、ありがとうございます!
佐助、ヘタレで気持ち悪くてごめんなさい!何でああなるのか…。
リク文のつもりで書き始め、途中からそれはやめとこうと思わざるを得なくなった話(--;) ここでひっそり、存在させて頂きます…;
変質者をいたぶる二人を事細かに書きそうになったのを、何とか止めた。
何か、ああやって協力する二人もいいなぁとか。二人が力合わせりゃ無敵♪
実は、オネショ事件からずっと敗北感を背負ってた佐助でした。
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