真実の愛1



※バッドエンドではありません(^o^;

佐+政→幸 で、幼児〜高校生くらい?まで

※捏造第三者(語り手)、少々痛い暴力的表現あり。

佐助が、黒まではいかないですが、グレーな感じで、ちょっと気持ち悪!って思うかも知れません。自分的な『盲目さ』のつもりでして、決して悪気はないんです…っ(@_@;)

何じゃこの展開はという、オチもよめまくりの、乱々文m(__)m


(全4ページ)













──突然ですが……


僕は、いわゆる『天使』というものをやっています。…まだまだ、駆け出しなんですけどね。

人間界とは違う時間の流れの中、やって来た、昇進試験の時期。

もう数度目の挑戦。今度こそは合格して、レベルを上げたいところ。



今回の課題は──『真実の愛』



…僕が目を付けたのは、ある男の子。

彼ならば、きっとそれを与えられるに違いない。そう思い──

その人生を追い、受ける愛の見極めをすることに決めました。












「おやすみなさい、さすけ、まさむねどの」
「おやすみ、だんな」
「ゆきむら、ぐんない」

「…夜じゃないけどね」
「うるさい」

「すーすー…」

「…だんなカワイイ」
「お前の顔、こないだ見たテレビの奴に似てる」

「おれさまカッコいいからね」
「(…ストーカー…とか言ってたっけ、あのテレビ)」


…ある保育園の、お昼寝タイム。


僕が対象にしたのは、天使の自分から見ても可愛らしい、この子──幸村くんだ。

既に、沢山の人から愛されてる。


…でも、そこで『真実』のものを受けてもらわなきゃ。

悪いけど、ちょっと試させてもらいますね…



───………



「…け、さす…け」
「ん……なに、だんな…?」
「──、ぅ……」
「!?どしたの…!?」
「しぃぃ…!」

幸村くんは、泣きそうな顔。

…無理もない、それを卒業して、大分月日が経っていたんだから。ショックは相当なものだろう。


「も、しかして…おネシ」
「……っ!」

真っ赤になって、佐助くんの口を塞ぐ。


「…ど……しよ……」

ふるふる震える幸村くん。


…こんなときに不謹慎だけど──




か・わ・い・い…!!




ごめんね、それは僕の仕業なんです、ホントにごめんね…!

ここで、彼の愛を確かめるために…



「だんな…」
「さ…け…っ、う、ぅっ…」






「──…助けて……ほしい……?」





……あれ?

佐助くんの顔が、何か…



「…っ!んっ、さすけ、たすけて、くれ…っ」


「…何でも言うこと…──きく?」


こくこくと頷く幸村くん。



「…じゃあねぇー…」


うっとりとした顔で、佐助くんが何か言いかけると──


「ゆきむらっ、大丈夫だ!」
「まさむねどの!?」

いつの間にか起きていたらしい政宗くんが、幸村くんのパジャマのズボンを引っ張っている。


「…ちょっと…何して」

「これ脱げ、早く!」

「えっ?」
「は?」

政宗くんは、自分のパジャマを脱ぎ始めると、

「ほら、これに着替えろ!おれがそれ着て、そっちに寝るから。早くしろよ、みんなが起きる前に」

「えっ、えぇぇ…!?」

「パンツもだぞ」





『バシャーン』





「──……」

「…ま、まさむね…どの」


「──それで良いでしょ?」

と、佐助くんはプラスチックのバケツを置いた。

幸村くんは、びしょ濡れになった政宗くんを青ざめた顔で見た後、


「さすけっ、なぜ──」

また呆然とする。


…佐助くんは、自らも水を浴びていた。



「──これで、はずかしくないね、だんな」


佐助くんがニッコリ笑うと、かなり過ぎてから、不器用な感じながらも、幸村くんは笑った。

それを横から見ていた政宗くんは、クシャミをした後、安心した顔で息をつく。



……自分的には、なかなかの『愛』だと感じられた。


──けれど、こんなものだけじゃ、合格ラインには足りないんです…













あれから何年も過ぎて、小学校高学年になった幸村くんだけど…

ここでまた一つ、真実に近い愛を受けてもらいたいところ…



───………



「──おい。そろそろ、くたばったかぁ…?」

「……」
「……」



…今、幸村くんが気を失っていて、本当に良かった。

ボコボコに殴られ蹴られて、無残な姿になった佐助くんと政宗くん。

こんなの見たら、泣きわめくだけに留まらず、きっと歯向かって行って──無事では済まされないだろう。…今の時点では、の話だけど。


…唐突ですが、三人は、悪い男の人に誘拐されてる最中。

本当は、幸村くんだけが狙われてたんだけど、さすがはこの二人──ものすごいしつこさでしがみ付き、一緒に拉致された。



「……て、……い」
「あー?」

「…す……け、て……だ、さ……い」

「──初めっから、そう言やぁ良かったんだよ」
「…ねが……ま…す…」


「そうそう、子供は子供らしく、大人の言うことを聞くもんだ。…大丈夫。約束通り、こいつはお前らみてーに殴ったりしねぇから」


男は、奇妙に優しい声になり、眠る幸村くんに近付く。


「……んな…」
「ゆ…き……」



「何べんも言ったろ…?



──可愛がるだけだ、…ってな」



男は幸村くんを抱えて、埃の積もるボロボロのベッドに乗った。


…そんな汚い場所でも、彼はすごく綺麗なままだ。


──白い肌が光る。





「──う……ッ!?」


突然、男がくぐもった声を上げ、驚いて見ると──


彼の首に細い腕が。

手首をロープで縛られた佐助くんの腕。
後ろ手に拘束されてたのに、どれだけ柔らかい身体なんだ…、前に回して、輪の状態のまま、男の首を抱え込んでいる。


「な…ッ、か…っ!」


佐助くんの足首は血まみれ。
そして、政宗くんの口元も。

政宗くんが、佐助くんの足のロープを食いちぎったらしい。


佐助くんは、全体重を錘に、男の首を引く…


その間に、政宗くんは点いていたストーブの火で、手首の楔を解放した。

転がっていたガムテープで、男の手足を拘束し、床に転がす。
椅子の足が上半身の両側に立つようにし、簡単には動けなくした。

…佐助くんの両手も、もう自由だ。


何をするのかと思えば、男のズボンと下着を脱がせ──



「ねー…おじさん、見えるかなぁ…?…ああ、椅子があるから邪魔かぁ」

「見えねー方が、まだ怖くねぇぜ…?」

「俺様たち……優しいでしょ」


佐助くんが、男が使っていたナイフを彼のポケットから取り出す。



「……ヒ……ッ!」



男の顔と目が恐怖に歪み、涙がこぼれる。



「このくらいの報復は、当然だよね…」

「二度と、同じことできねぇようにしてやらぁ…」



───………



パトカーのサイレンがこだまする中、二人はよろよろしながら幸村くんをどうにか抱え、家に帰った。


──ナイフは、血を浴びていない。

男は、脚の付け根近くの床に突き刺さった音で、失神した。


彼らの顔は、今、本当に綺麗に輝いている。
言うなれば、人間界に建っている天使の像のよう。



…僕は、感動した。


彼らの愛をもっと見てみたい。

こんなに心が高揚したのは、初めてだ…

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