人気者の一日/手袋の使い方1
小ネタ・小話×3
@幸モテ/高校生/いつものメンバー/(短文・小ネタ)
A幸モテ/小学生/金・幸・(家)・三・就/(高校生にしたかったけど、状況が;) 季節外れネタ
B社会人/親・政・慶・幸・?/最後に佐幸が少し/(他3人)/相互様宅ネタより拝借・感謝^^ ★(二話目)の派生話
※()内キャラは、話題のみ登場。Bは、冒頭に詳細を。全て、ほのぼの・ギャグなど。
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【人気者の一日】(小ネタ/幸モテ/高校生)
〜午前中〜
「はいっ、調理実習のクッキーあげる〜」
「Hey、俺のも受け取れよ」
〜午後〜
「お前が欲しがってたあれ、元就に頼んだらビンゴでさー」
「駒の中に、伝(つて)のある者がおったのでな」
「──あー、良いって良いって、お前のためじゃん!なあ?」
「ふっ…我にかかれば、造作もないことよ」
〜放課後前〜
「今日、うちに来ないか?夕飯を一緒に…」
「家康貴様、またしてもッ!こいつは私と先約がある、貴様が誘う日は必ずだ!何度言えば分かる──」
────────………
家康と三成が去ると、幸村はちょっと驚いたように、
「今日も、誕生日のようでござるな…」
元親殿──と、呟く。
言われた彼は、「まあな」とただ笑って頷いた。
「……帰りは、徳川殿たちと帰るので?」
「いや?一回家に帰るが、何でだ?」
「では、コンビニに寄りませぬか?あの豚まん、ごちそうしまする」
「あ?」
何だよ急に、と元親は面食らうが、
「それくらいしか、思い付けませんで……」
「……お前なぁ」
元親は、幸村の焦り顔(自分だけ、良いところを見せられてない)に呆れた声を出すと、
「んなの気にしなくて良いんだよ、お前は。だいたい、もう充分もらってっし」
「え?」
幸村は首を傾げるが、
「その内分かるって。──豚まんは俺のオゴリだ、行こうぜっ?」
「っあ、お待ち下され…!」
駆け出す元親の後を追い、二人は仲良くコンビニへと向かった。
・・・・理由は単純、元親以外の6人は幸村(将)に片想い、『抜け駆け禁止協定』を締結中、アニキ(馬)の心証をいかに良くするかが、アピール・成就への鍵。
幸村のお陰で得させてもらってるから、豚まんオゴるくらい軽い。
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でも、そのせいで親幸になるとかが当サイトの傾向^^
【手袋の使い方】(金・幸・家(話題のみ)・三・就/幸モテ/小学生)
寒さ深まる冬のある日、金吾(小四)は一人で下校していた。
「小早川どの!」
「あっ、幸村くん」
一つ上の幸村に声をかけられ、金吾は笑顔になった。
彼は変わった人だが、友達の少ない金吾にも分け隔てなく接してくれるので、たまに帰り道で一緒になるのは楽しい時間だった。
「幸村くんの手ぶくろ、カッコいいねぇ」
「おぉっ、そうでござろう!?小早川どののも、かっこようござるよ!」
と、彼の手袋を褒める幸村。金吾は、えへへ…と照れると、
「朝、家康さんが貸してくれたんだ。今日は、着けてくるの忘れちゃって」
「そうなのですか…!」
幸村は感心したように、「やさしいですなぁ、家康どの」
「うん!明日返せば良いって。家康さんは、本当にやさしいよね」
家康は幸村と同じく一つ上で、金吾にとっては頼れる兄のような存在だ。
彼の話をしている内に金吾の家に着き、そこで二人はお別れとなった。
次の日の、再び帰り道…
「「金吾」」
「はっ…、はひぃ…っ?」
最も恐れている二人に呼び止められ、恐怖に戦く金吾。
三成と元就、彼らも幸村たち同様一つ上だが、優しい兄や先輩らしさは微塵もない。金吾は怯えながら、「な、なに…?」と窺う。
すると、二人は金吾の手袋を外し、雪解け後の水溜まりに投げ捨てた。
「ぇえッ、ひどいぃ!!ボク、まだ何もしてないよぉ!?」
今日はせっかく着けてきたのに!と、嘆く金吾だが、
「ああすまぬ、手が滑って」
「わめくな」
「え…!?」
その後の二人の行動に、唖然となる。──金吾の両手には、色違いの手袋がはめられていた。
「こちらは我の手袋よ」
「これは私のだ。…やることは、分かっているな?」
「は、はぃい…?」
これで何をしろというのか…さっぱりだったが、二人が示す視線を追うと、
(──あ、幸村くん…)
一人で帰る彼の姿が、前方に見えた。
三成と元就の顔に戻ると、その目は『行け』と言っている。
やっと意味が分かった(今までの経験で慣れている)金吾は、内心『またぁ?』と思いながら、
「わ、わかったよぉ!言ってくれば良いんでしょ…!」
恐怖には勝てない。威圧的な目と表情に恐れをなし、幸村のもとへ走った。
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