続・学んだ悪魔1



特殊パロ、幸村モテ・佐幸寄り。微ギャグ・ほのぼの。クリスマス背景。

学んだ悪魔】の続編。以前、拍手で続き要望コメ頂き…の。佐・三・幸に関する提案ネタを、そのまま使わせて頂きました。前作の政・家を気に入って下さったとのことで、今回はその五人が主。政・家(高校生)・幸村(中1)
さわ様、本当にありがとうございました。

あれから約二ヶ月で、もう馴染んでる悪魔。政・家は、いつもすいません; ※少し仮装描写。三、出番やや少なめ(∋_∈) 最後に佐幸的なのを。
悪魔らしくない他スルーで。やり取り三昧の※長文です(;´д`) お時間ある際に、よろしければ…


(全4ページ)















闇の国から人間界に移った、悪魔たち。

お市は長政、半兵衛は秀吉に心を奪われ、彼らと同じく高校生として生活している。悪魔には、周りの人間の記憶を作り変えることなど造作もない。

人間嫌いの三成は、黒猫姿で秀吉らの後ろに付き従い(自由な校風からお咎めなし)、吉継は面倒なので秀吉宅で留守番。
同じく佐助も、中等部に通う幸村に黒猫姿で付いていた。

※長政の『他人の思考を覗くのは悪だ』から、お市『皆も、もうしちゃ駄目だよ…?』との訓戒により、全員その力は封印された。



「ちょっと、お市様!」
「…あ、猿飛さん…こんにちは」
「じゃねーでしょ!早くしまって、これ!」

天井近くまで蠢いていた影の手を、急いでかき集める黒猫佐助。お市の影に押し込み、息を切らす。少し残ってしまったが、目立たない程度にはなった。

放課後、幸村の部活が終わるまでプラプラしていると、高等部の教室に影が見えたので、慌てて飛び込んだのだ。


「大丈夫よ…人には見えないから」
「見える奴たまにいますって、浅井さんだって──何してんすか?」
「お友達が教えてくれて…これを作ってるの」

へぇー、と佐助は編みかけのマフラーを窺う。お市は「ふふ」と嬉しそうに、

「クリスマスプレゼント…『お市ちゃん器用だから、きっと喜ばれるよ』って褒めてくれたの」

「クリスマス…」

最近よく聞く言葉だが、まだ詳しくない佐助である。興味を引かれ、少し話を聞くことにした。



(けど…)


影の手に作らせてるのは、どうなんだろう?

……まぁ、器用であるのは間違いないかと、ツッコまずにおいた。













クリスマスの、数日前の夜。
幸村が風呂から上がり、部屋に戻ると、


「だんな〜ぁ」
「うっ!?…さっ、佐助ぇっ…」

人型の佐助に抱かれ、焦り赤面する幸村。珍しい行為ではないが、突然されるのはもっと慣れていない。

「はぁ〜落ち着く…。もー、今日も大変でさ」
「お、ぉぉ…」
「人間の女の子って、なんであんな触りたがるわけ?余計な匂いも付けてるし」

悪魔には人工的な香りが合わないらしく、佐助はその度に憔悴する。が、幸村に迷惑をかけないため、大人しく甘受していた。

幸村の匂いでそれを癒すと、佐助はやっと離れ、

「旦那、二十四日は何するの?クリスマス、なんだよね?」
「…実はな、そのことで頼みがあるのだ」
「頼み?」

聞くと、先ほど入浴前に家康から電話があり、パーティーに招かれたらしい。彼の家で、午後から夜まで開催とのこと。
親しい友人の元就とかすがは、明日から家族旅行で、『一人であの二人(政宗・家康)に会うな』と、強く言っていた。

政宗も参加メンバーで、恐らく彼らの耳に入らぬよう、幸村にはギリギリまで声をかけなかったのだろう。佐助はそれも悟り、

「い、行くわけ…?」
「佐助、ともに行ってくれぬか?…その…そっちの姿で」
「……!」

佐助は目を見開くが、幸村は「すまん」と眉を下げ、

「行きたいのだが、他の友人も皆家族と過ごすであろうし…」
「ま、ぁ…どうせ、猫でついてったしね」

行きたがる気持ちは喜べなかったが、初めての提案には、佐助の心も弾んだ。


「でも、この格好(黒マント)じゃな──こんなもん?」
「おお…!」

パッと服を変えてみせる佐助に、幸村は目を丸くする。

綺麗めな格好でコーディネートを決めると、佐助は猫に変化し、ベッド(枕元)に入り、


「そーだ。旦那、ちょっとお願いっていうか、提案があるんだけど…」













政宗と家康とは、今春に中等部へ入ってからの付き合いだ。

二人とも大層な家柄のご子息で、大きなお屋敷へは、何度行っても目を見張ってしまう。
解錠された門から中へ入ると、玄関先で二人が出迎えてくれていた。


「ようこそ、幸村──と、」
「…Ahー?」
「メリークリスマ〜スでござる!」

幸村は、「今日はお世話になりまする!」と、家から持たされた土産物を家康へ渡し、

「こちら、電話でお話しした、遠縁の親戚の、友人の友人の…」

「猿飛といーます〜。すいませんね、ついて来ちゃって」

佐助は、闇の国時代から得意な営業スマイルを見せ、

「こっちは、俺様の友達の石田さ…くん。愛想ないけど、シャイな人なんで許して下さいね♪」
「………」

佐助とは対照的に無愛想な、人型の三成。
つまり、彼の同行が佐助の要望だったのだ。

佐助を通して、他の悪魔たちと面識のある幸村。彼らを『佐助の家族』だと誤認し、度々挨拶に赴いていた。
そんな過程と周りの勧めもあって、彼は、佐助の協力要請を聞いてくれたのである。


『人型で行くから、派手に動けないかもで。石田様がいてくれたら、尚心強いな〜と思ってさ』
『…ふん。世辞だけは相変わらずのようだな』

もし何かあれば、今度は人型で家康らを粛清でき、幸村をしっかり守ることが出来る。両者の利は、合致したのだった。



「ああ、気兼ねしないでくれ!てっきり、幸村と同い年くらいかと思ってたんだ」
「Huーm…?…アンタら、どっかで会ったよーな…」
「きっ、気のせいでござろう!二人は外国に住んでましてな、昨日から日本に…」

「そーなんですよ〜。イヤー、立派なお屋敷ですねぇ。俺様たちが住んでた城の、十分の一くらいかな?」
「百の間違いだろう」
「も〜石田くん、俺様の配慮読んでってば」

「ま、まことで…!?」
「ああ゙ー…?」

「ははは、面白い奴らだな?幸村は可愛いなぁ、すぐ騙されて」


「「………」」

家康の笑顔に、『イラァ…』となる悪魔二人。明らかに敵意剥き出しの政宗には、幸村に見えないようガンを飛ばしていた。

思考を読む力が使えないため、常に見張っていなければ。佐助と三成は視線を交わし、軽く頷き合った。


…が……

[ 123/138 ]

[*前へ] [次へ#]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -