おめざめA-1


@の続き。

佐+慶(高校生)、佐+幸、モブ+幸(中学生)…な流れ。背景は幸村モテ・総受け


微破廉恥、下品。(モブ+幸)
一部伏せワード、そんままで良い気もしたけど一応。

@のDVDよりやや長くハァハァしてますが、プレイはあれ以下。またモブの脅し方がアホで、ぬる過ぎるSさ。
ありがちなオチなので、ゆる〜くご覧下さり、お許し頂けると幸いです(´∇`;)

Bで、やっと佐幸な話になります。


(全3ページ)













あの悪夢の夜から数日後、朝の教室にて──



「頼むから許してくれよー…ホントあれが初めてだったんだって。似てんなとは思ったけど、女の子だし」

「ふーん…ところで、慶ちゃんて巨乳好きだよね?あれじゃ全然だったっしょ」

「え、……ぅん」
「………」

その微妙な間に、こめかみをピクリと引きつらせる俺様。
慶ちゃんは慌てて飛びのき、両手で股間を庇う。「もう絶対しねぇから!」と必死で謝る姿に少しは気が済み、上げた足を納めた。


「ど、土日、遊び行かねぇ?女の子三人でさ、可愛い子ばっか」
「へー?んじゃ、あの二人連れてきゃいーじゃん」
「や、あいつらまだ休んでるし…(誰かのせいで)──あと、これ」

慶ちゃんはへつらうような態度で、それを差し出すと、

「俺らからのお詫び。これは顔も身体もちゃんと女で、美人だしエロいから」

「…あのねぇ。俺様はそこに怒ってんじゃ」
「分かってるって!本当に反省してんだよ、もうあんなのは見ないっつー証!」

俺様のバッグに勝手に入れ、慶ちゃんは両手を合わせて許しを請うポーズに。哀願し、泣きそうな顔で、


「だからさ、そろそろ幸に会わせて…」


「え、なに?」




「……ウウン。なんでもない、です……」


俺様の笑顔がよっぽど嬉しかったのか、本当に泣きながら隣の教室へ戻ってった。














(はーあ…)


放課後の帰り道。ダルそうに歩いてんのが、自分でもよく分かる。
正直、今はもうあいつらへの怒りよりも、他のことでくすぶっていた。(DVDと元の動画は消して、あの二人もシメたし)

俺様の血迷った行動は、『顔に興奮したんだ』と結論付けた。つまり、旦那の顔で女だったら、俺様のど真ん中なんだろう。だって、あれ女だったもん。胸なかったけど、付いてはなかったもん。いくら可愛くても、男はないって…と、ちゃんと切り換えた。

で、まだ鬱々してしまうのは、旦那の態度。…反抗期は、まだまだ終わらないようで。
あの夜から俺様が今までの干渉をやめると、ピリピリされなくなったのは確か。ホッとしてたんだけど、単に会話が減ったからなんだと気付いちゃって。

これが一番良い状態なのかもだけど、もっと距離が広がるようで、ますます寂しい。
もう、前みたいには戻れないのかもな…親ちゃんの言う通り、子離れしろってことかも。



(……あれ?)


家に帰り着くと、玄関に見慣れた靴が。
旦那、今日は別の靴で行ったっけ?と思案してると、電話が鳴った。旦那の担任の先生からで、


『熱はなかったんですが、疲れが溜まってたみたいで。本人からも、電話はもらったんですけど…』
「──あ、ちゃんと寝てます…すみません、ありがとうございました」

子機の通話を切ると、ベッドで眠る旦那に駆け寄った。


(だから言ったのに…)


授業中に不調を訴え、保健室で休んでいたが、今日は運悪く保健医が不在。我慢できなかったのか、勝手に早退したらしい。
いつも真面目な旦那なので、先生も怒ってはいなかった。電話でも、しきりに謝ってたようで。

顔色はそう悪くない…うん、やっぱ疲れだろうな。ちゃんと着替えてんのかな、と布団に手をやると、旦那が薄目を開けた。


「大丈夫?さっき電話で聞いてさ」
「……ッ!」

たちまち眉を寄せる旦那に、俺様は慌てて、

「ごめん、勝手に入って。寝てると思ったから」

「…さ…わるなぁ!!」
「っ…」

掴んだ布団で手をはたかれ、身が固まる。
旦那は布団を頭まで上げると、丸まってしまった。

…俺様、口から流血してると思うんだけど、どうですか。死んでない?死んだよね、コレ絶対。


「…いや、着替えたかなと…」
「……後で風呂に入るゆえ。それくらい自分でする!はよう出ていけ…っ」

「あ、うん、ごめ」

急いで廊下に出る。

胸が痛くて、鼻の奥が熱くなった。…本気で泣きそうなんだけど。









それから数十分後、再び旦那の部屋の前に立つと、


「あのさ…学校に、旦那の鞄取り行って来るな…?」


「………すまぬ」


(……!!)

その一言に、俺様は本当に生き返る心地で、


「な、何か食べたいのない?お菓子とか…晩は、炊き込みご飯やしょうが焼きなんだけど」

しばらく経ってから、「…茶碗蒸し…」という小声が聞こえ、また泣きそうになる。

「ぉ…っけー、沢山作るね。あと風呂沸いてっから、いつでも入ってよ。長湯しないように…」
「…佐助……」

なに?と聞き返せば、また呼ぶので、『違ってたらどうしよ』と思いながら、恐る恐るドアを開けた。
入り口の傍で、「何か取る?」と尋ねると、


「すまぬ……俺、今壁に当たっておって……乗り越えようと…」
「あ、うん…分かってるよ。分かってるから」

「すま……、ありが、とう……」

「…良いって…」

それからは旦那はまた顔を潜らせたので、俺様も「じゃ、行ってくんね」と部屋を出た。










(そっか……)


部活、相当厳しかったんだな…。
実のとこ、そこまでじゃないと思ってた。親ちゃんのが正しかったんだ。あの態度も、やっぱ普通の反抗心だったってことか。

さっきの旦那の声と顔を思い出すと、また胸が痛くなる。だけど、それはさっき感じた寂しいものじゃなくて、切なくて千切れそうな。
あんな、泣きそうな顔と声で…

…やっぱ、あたってくれても全然良いや。好きなだけ暴言吐いて良い。
旦那の本心分かっただけで、今までの鬱消えちゃったし。俺様、こんな単純だったっけって気もするけど。



(ただ、旦那が苦しんでるのはヤだなぁ…)


でも、自分で乗り越えなきゃなんないか…

少しでも力になれるよう、ご飯とかもっと腕を振るおう。
そう奮起し、急ぎ足で中学校に向かった。

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