赤緑兄弟の冒険2



その後も、弟二人のルンルンは止まらない。(兄には見えないように)

先ほどのは邪な目で見てしまった二人だが、カエルスーツやペンギンスーツ姿には、正反対でありながら再び悶絶ものだった。
可愛い──ただそれだけに、彼らの脳内は埋め尽くされていく。


「っ、不覚…ッ」

「「お兄様!」」

二人がデレデレと仕事を怠っていたせいで、兄が敵に当たってしまった。

「すまぬ、油断した…キノコを探さねばな」


「………」
「………」

マリむらは、弟たちの半分以下に小さくなり、顔も幼くなっていた。


「ぬぉぉぉ…届かぬぅぅ…!さすージになりージ、すまんが手を…っ」


((はぁぁッ……!!))←爆萌え


ピョイピョイ跳ね必死になるその姿は、凶器にも匹敵する愛らしさ。
もったいないからと、出るキノコはわざと弟らが取り、チビ兄をじっくり堪能する。


「ああっ!また取りおった!」
「ごめ〜ん、足が滑ってさ」

「仕方ない。我が兄を抱え、敵から庇護しよう」
「それこそ俺様の役目でしょ。アンタ慣れてないだろーから、ここは俺様が」

二人の腕の中、取り合いされるチビむら。弟たちの口から漏れる『貴重な小ささ』だの『こんな可愛いの』だの言葉に、からかわれているのだという認識を得る。


「えーい、離せ!もうお主らには頼まん!」
「「あっ…」」

マリむらは怒りを糧にキノコを獲得し、元の大きさに戻った。

「遊んでいる暇はない、先を急ぐぞ!」とキリッと二人に言うと、身軽に先陣をきっていく。


「あーあ、もうちょっと見たかったなぁ」
「…我らの方が縮むのも、良いやも知れぬぞ」
「──なるほど」

今度は逆にあの胸に抱かれ、思いきりベタベタできる。想像するだけで、また口元が緩んでしまう二人。

「この辺で獲れるかは不明だが、あれよりも小さくなるキノコがあるらしい」
「マメサイズになるやつでしょ?手乗り旦那、可愛いだろうな〜(陶酔)」
「ああ…」

たとえば、こんな感じだろうか。


『よしっ!マメマリむらになり、あの隙間を…』
『『お兄様、危ないっ』』
『!?』

敵から庇い、その反動でキノコは弟たちにタッチ。二人は、マメサイズへと。

あーあ、という空気感が流れたが、マメージらはそのサイズを生かし、ステージ攻略に大活躍した。で、兄も上機嫌に。


『二人ともすごいな!』
『でしょ〜?…でも、』
『これだけ小さいと、息が上がってしまうな…』
『!それはいかんっ!』

マリむらは慌てて二人を拾い上げ、『しばらく、ここで休んでくれ』と、自身のシャツの中へ…(ポケットは都合上無視)


『…っあ、こら二人とも!あまり動くなっ、くすぐったくて敵わん…!』
『だって、結構揺れるからさぁ。じっとしてたら酔っちゃいそうで』
『いっそのこと、下に移った方が落ち着くやも知れぬ』

『ぅあ、…も、毛利どのっ、それはどうかと…っ』

ヘソの下辺りをまさぐられるような感覚に、力が抜けたマリむらはへたりと座り込む。

さすージはさすージで忍らしく、壁と見立てた肌の上をピョンピョン跳ぶ鍛練。手足で着地兼弾く場所は、敏感なところばかりを選ぶという抜かりなさ。


『…っ、さすけッ…!ぁっ…もう少し、加げ…っん、は…、くっ…』
『お兄様ったら、俺様はさすージですってぇ♪』
『毛利ではないゆえ、何のことやら分からぬな』

『ふっ…ぅ、…さ、すー…なりージ、もう、勘弁してくらは…っ…』

『…なんか暑くなってきたよ、お兄様。熱あるんじゃない?』
『由々しき事態であるな。熱を下げるには、汗をかき発散させるのが最善』

ごそごそゴソゴソ


『……な、なにを…?』

『お兄様は大人しくしてて?俺様たちが、ばっちり治してあげるから』
『なに、辛いのは今だけよ。吐き出してしまえば、自然熱も引く…』



………………………………



「良いよね〜…(二人ってとこがシャクだけど)夢だよね〜(うっとり)」
「ふ…」
「元の大きさに戻るには、姫(兄)からの口付けが必要…とかなッ」

そんな妄想に浸っていると、マリむらに大分置いていかれていた二人だった。

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