祝福1


メインからは、幸村政宗慶次佐助
他、秀吉、半兵衛、謙信。佐助出番少なし。

政+幸 慶次と、秀・半・謙それぞれ
佐+幸

いつもより短めですが、会話だらけです。しかも乱文。本当にすみません…お時間のあるときにでも、ご覧下さい。

なんかは特に、ずーっと喋り通し(TT)
秀吉出したかったんですが、また激しい捏造話。秀・半・謙の口調がきっと違う。謙信様の台詞が漢字。秀・半を幸せにしたかった欲。

展開はいよいよゴチャゴチャで、自己満足突っ走ります。(次回から含め)

















…あの、心躍る閃光。




きっとそれに違いないと手を伸ばしたが、覚めてみれば、単なる窓からの陽の光に過ぎなかった。











「かすが…?」

眩しさに目を細めると、


「…どこをどーすりゃ、そう見えんだよ」



(あ…)


その声に意識は醒め、視界も明瞭になる。
苦笑を含んだ、その声は


「政宗殿…」

「──おぅ」

いつもより数段穏やかな口調で、「よく寝てたみてーだったから」


「起こして下されば」
「…あのな。俺もそこまで馬鹿じゃねぇよ」

渋い顔になり、腕を組む。

幸村は周りを見渡し、「二人は…」


「小十郎が拉致ってった。(つか、させた)お前への見舞い、買いによ」
「あぁ…」

口実であるのは、幸村でも分かる。


「…あの」
「ん…?」

緩慢な動作で向けられた視線に、両手をキュッと握りながら、


「申し訳、…ござらぬ…」

「何が」

「………」



──約束を違えて。


誓ったのに。…あんなにも強く。


そのときまで、決していかぬと。

そのときは必ず二人、相見えると。


永遠に続いて欲しかった、あの瞬間を。



「今度こそ…」
「もう、あんな世じゃねぇってのにか?」

フッと笑い、幸村の頭を拳で軽く小突く。


「謝るなんざ違ぇだろ。…てより、俺が謝りてぇ。それこそ『違う』って言われちまいそーだが」

幸村の方へ椅子ごと動き、

「ボディーガードのこと、本当に悪かった。肝心なとこで、意味なかったな…」
「そんな」

「ほらな?同じような意味で、お前も謝ることねぇ。…って、分かってんだろうけど」

「…分かっておっても、言わずにはおられぬ」

「……」

政宗は一瞬考えるように黙り、「Ahー、違うな」


「え?」
「間違った。お前が謝る必要はねぇが、俺は言わねぇと…」

もう一度、「え?」と聞き返すと、


「Than……ありがとよ。昔も今も、んな風に思ってくれて。俺も同じだ。…お前がいなくなったときゃ、例えば、俺が同じ終わり方したときにお前が感じたようなもんだったよ。まぁ、お前は甘っちょろいから、もっと長く情けねぇ姿さらしてたかも知れねーが」

と、軽く笑った。

「あんときゃ、誰にも先の保障なんざなかったろ。けど、お前は自分を信じて誓ってた。そんくれぇ分かんねーような、馬鹿でもなかったさ。…形は違うが、またこうしてお前と交わせてよ…俺は嬉しいぜ、素直に」


「政宗殿…」

「つーかよ、そのことで、んなしみったれた顔してやがったのか?俺ァ、てっきり佐助とのことかと」

「……」

幸村の顔に、再び陰が落ちる。だが、政宗は呆れたように笑い、


「あのなぁ。俺は、もうとっくにお前にフラれてんだぜ?言ったろ、俺を気にしてそういうの避けるなんざ──病人でも押し倒すぞ」

「あっ、…」

幸村が慌てて顔を上げると、未だにある柔らかい笑み。…嘘には見えない、心からの。


「お前があんな強く『俺への思いを通したい』って思ってたのも、このせいだったのかもな。今度こそ約束を守る、とかクソ真面目に刻んでてよ」


──そうなのかも知れない。


あの、自分でも不思議なくらいだった、強い思い。

交わす度に沸き起こる、決して手放したくない、高揚…



「その心は、今も俺だけのものってか?」

ちゃかすように窺う政宗に、


「あ…当たり前でござるっ!昔も今もこれからも、政宗殿ただお一人の──」

途切れてしまう、幸村の声。


「嬉しいけどよ、ちぃっと惜しくもあるな。…それがなけりゃあ、お前の心、全部手に入ってたかも知れねぇ…とかよ」


「ぁ…さむね、…どの…」

幸村の顔は朱に染まり、頭の中では絶叫がこだまする。


政宗が幸村の手を取り、甲に唇を寄せていた──何度となく。
繊細な割れ物でも扱うかのように、両手で包み、優しく愛撫を繰り返す。

…今の彼には、とてつもなく似合う行為であるのだが、自分の手は全くもってそれにそぐわない。

もう少し細くて滑らかであれば、そこにも場違いではなかっただろうに…──いや、そうではなくて…

幸村は、混乱と申し訳なさや恥ずかしさに固まり、為されるがままになっていた。


「そこにするよりゃ、マシだろ?」
「…っ!」

唇を指され、思わずもう一方の手の甲で隠す。

政宗は笑い、幸村の手をベッドに置いた。


「──今度も、とことんやり合おうぜ?…それこそ、ヨボヨボのじーさんになるまでよ」
「っ、…はい!」

「ま、俺はシジィになっても強ぇだろーけどな」
「某とて…っ!お館様よりも強くなり、政宗殿を飽きるほどのめしてやりまする」

「Ohー、強く出たな」

Ha、と政宗がニヒルに笑えば、幸村も、やっとのことでほぐれた笑顔を見せる。


「そうすりゃ、お前を縛ってた、俺への後悔も消えるわけだ。あの約束への思いも」

「!しかし、この思いは…っ」


焦る幸村に、「ああ、そりゃ分かってる」と政宗は制し、


「今度こそ果たしゃよ、次は…いや、次のとは言わねぇ。今とは違う世でよ、またこうして会えたら、



……俺を選べよ?──絶対、に」



幸村の胸に触れ、掴むかのように指を立てた。


…幸村は、また動けなくなってしまう。



「そんときゃ、あいつがいようと、俺が好きで好きでたまらねーっつーくらいにさせてやらぁ。俺がお前を想ってんのと同じくれぇ…嫌ってほど分からせてやるよ」

そう静かに言うと、幸村の髪を撫でる。


「…もう、充分分かって…」
「いーや、まだまだ全然だぜ」

ふん、と口をひねると、

「何でってよ…俺の気持ちは、お前が俺らに対して持ってるもんや、あいつらがお前に対して持ってるのよりも、何っ倍もデケェから──だ」


「そのような…」
「ことあんだよ。…次で分かるから、楽しみにしとけ」

撫でていた手をポン、と頭で弾ませ、口端を上げる。

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