帰郷1


佐助かすが政宗元親元就幸村、信玄、その他脇役数名、捏造キャラ

前回から。

幸村以外の全員 幸+捏造キャラ(45pの後半〜) よって、がほとんど;

穴だらけ、ナニコレな展開。知識と力量不足が、最強に見え見え。薄い描写(TT)
噛み合わない背景多々かと思いますが、広いお心で無視して下さいぃ。

力尽きて、また半端なとこで終わってますm(__)m













武田家の大広間を、佐助ら四人と小十郎、かすがと謙信、信玄や彼の妻、母、使用人たちが、賑やかなムードで満たしていた。


──夜の七時。

宴は、いつでも始められる状況になっている。



(旦那、もうそろそろ来るかな?)


電話では結構かかると言っていたので適当に説明をするにはしたが、こうも遅いと、何か計画しているというのはバレバレであろう。

ゆえに、今のところ、誰もツッコんだりしていない。


(どうせなら、手伝いに行きゃ良かった)


信玄からのサプライズプレゼントは、そんなに手のかかる物なのか──どんな代物かも尋ねなかったことを、今になり少し後悔していた。
さすがに、慶次のバイトより遅くなりはしないだろうが…と、時計を見つめる。


「お嬢様、贈り物です」

使用人頭の男性が、どこか楽しむように小包を手渡した。
受け取ったかすがは、宛名を見て「えっ?」と声を上げる。


「なになに?」

それに興味引かれた佐助や、他の彼らも彼女へ寄った。


「幸村から…」
「ええ?」

「先ほど届きまして。坊っちゃまも、粋なことをなさる」

開けるように促され、かすがも口元を緩めながら従う。


「(これのことだったんだ、サプライズ…)」
「(用意してねぇっつってたのにな)」
「(中に、お館様からだ、とかって書いてんじゃない?)」

近くにいた政宗と、コソコソ囁き合う。
幸村からの電話が何だったのかしつこく聞くので、他の三人にも理由は話していた。

包みの中には箱が入っており、蓋を開けると…


「──何……」


かすがは茫然とし、その手からそれを落としてしまう。


「?どしたの」
「お嬢様?」

すぐに佐助が拾い、渡そうとしたが、


「え……」

彼も同じように固まり、中身を凝視する。


「これ…」
「Ah〜?何だっつんだ?」

「──これは…」

佐助は、眉間に皺を寄せる元就の顔と、中に入っていたものとを見比べるようにし、その背には嫌な汗が伝った。

入っていたのは、数枚の写真。…が、普通の状態ではない。


カッターナイフでズタズタに切り付けられた、かすが。

顔の部分だけ焦がされた、政宗。

グシャグシャに丸め、それを緩く開いた写真。…写っているのは、元親と元就。

そして、それらの下に、一瞬見ただけではただの緩衝材に思える、細かい紙片が大量に詰まっている。

──恐らく、佐助と慶次の複数の写真を、切り刻んだもの。


「な…んですか、これは……坊っちゃまからではない、こんな物」

青ざめる使用人の言葉に、彼らもハッと気付かされる。


「…ホント、最悪にも程があるね。旦那の名前使って…かすがちゃん、大丈夫?こんな悪戯…」
「悪戯──」

かすがは、政宗の写真を取り出し、


「──か?これ。毛利たちの分も…。ただの悪戯にしては、何か…」

「……」

全員、口をつぐんでしまう。


「…手紙が入っている」
「貸して」

元就の手からサッと奪い、佐助は一応皆にも見えるよう、低い位置で広げた。



“お誕生日おめでとうございます。

出会わなければ良かったのに。心の底から、そう思います。
だから、この日に決めていました。

ですが、全て失敗に終わり、今日を迎えてしまいました。
でも、満足です。どちらにしろ、これで私の願いは叶いますので。

後は、ゆっくり心を占めれば良い。あなた方は、いなくなるのですから。

では、さようなら。


美紅”



「「美紅って…」」

佐助とかすがの声がかぶり、二人は顔を見合わせる。


「知ってたの?」
「ファンクラブの…。うちのポストに、ファンレターを」
「…ファンレター?」

佐助が訝しげになると、


「何だ…?こいつが犯人ってことか?」
「『いなくなる』って、どういうことだよ。まさか、また俺らに…」

政宗の言葉に、元親が顔色をなくす。不安げな視線を彼から送られた元就は、


「…我らより、佐助と慶次なのではないか?」

と、バラバラになった紙片を示した。

これまでの事情を知っている使用人が、箱と手紙を取り、信玄たちのもとへ持って行く。
教師同士の話で盛り上がっていたのか、謙信と小十郎も傍にいた。


(…旦那…?)


「幸村か?」

政宗の問いに、佐助は軽く頷く。
(かすがも、血相を変えて信玄たちの方へ場所を変えていた)

幸村のケータイにかけるのだが、出ない。


「そっちは?」
「今、かけてんだけどよ…」

政宗も、同じように苛々しながら応える。


「…慶次っ」

元親が短く叫び、慌てて部屋を出ようとした。
が、信玄たちが駆け寄り、


「待て!…この者らに行かせる。お主らは、家から出るでない」

緊張した面持ちで、引き留める。


「けど…っ」
「──旦那様、警察からです」

一層顔色を悪くした使用人頭の彼が、信玄に電話の子機を渡す。


慶次の迎えは初めからその予定だったが、武田家の抱える手練れの警備員たちが、早めに車で向かった。

佐助たちの身辺警護も実は以前よりしてくれており、あの若い使用人から、数を増やすよう指示があったことも聞かされる。


「んで、黙って…!」

佐助は怒りの形相で、


「旦那、何か知ってたんだよ!俺らが危ないって、何か──」

だが、言っている内に、血の気が引いていく。


(まさか、帰り遅いのって…)


「政宗!」
「…繋がった。あの電話と、多分同じ内容だ」
「んだよ、ふざけんなっ!一番信頼できるとこっつったの、アンタだろ!?こんな──」
「おいッ?」

突然政宗の胸倉を掴む佐助を、元親が慌てて離す。


「何だっ?こんなときに、何喧嘩…」

「Sorry…」
「…ッ」

青い顔で謝る政宗に、佐助は眉を寄せ、


「──じゃない。…俺様のせいだ。俺が、」


気付くべきだったんだ、

…様子が違うことに。


佐助は、彼から離された両腕を、力なく下ろす。

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