愛慕1


佐助慶次幸村かすが政宗元親、捏造脇役少し

佐+慶 佐→幸 幸+かす
佐・幸・政・親

前回その後からです。
は特に会話三昧、浸ってます(@_@) なのに色気がないし、自己納得な内容で、アップするのが心苦しく息苦しい(;_;)

次への前置きみたいな話ばかりで、から展開少ないですm(__)m
捏造名前、もし同姓同名の方がいらっしゃったら、すみません。

躍動感ゼロ描写。ますますヘンテコな流れで、恋愛っぽさが少ない(泣)













「じゃーね、旦那。かすがちゃんにお礼言っといて?」

「あ、俺の分もよろしく〜」

佐助と慶次が手を上げると、「はい!では」と、笑って振り返す幸村。

後ろ姿がマンションの中へ消えたのを確認し、二人は道へと戻る。


「…てか、何ついて来てんのよー…」
「いーじゃん、俺だって幸と一緒にいたい!せっかくバイト休みなのに」

「こっちだって、久し振りの旦那との帰りだったのよ?気ィ遣ってよ、そのくらい」
「あ、そーいやそうだっけ。まぁ、良いじゃん。また、チャンスはあるって」

「明日から、また車でしょー?俺様も一緒に、おばあ様のお見舞い行こうかなぁ」
「あー、良んじゃね?先生も喜ぶだろ、きっと」

それからしばらく、あのハズレ入りチョコの話で盛り上がった。
生徒会でも、なかなかの阿鼻叫喚が起きていたらしい…


「旦那の、ワサビか何かだろうね。目ぇ真っ赤になって」
「…なぁ、幸怒ってた?違うよな?」
「え?」

少しだけ不安そうに聞く慶次に、佐助は戸惑う。

「や、何か…」と慶次は、幸村がハズレを食べた後、涙が引くまで無言だったことを話した。


「さっきは普通に、慶ちゃんとも喋ってたじゃん。…それ、あれでしょ。アンタが思っきし爆笑したからでしょ」

「ぅ…だって…さっけも、絶対笑ったって…」

「俺様なら、すげぇ心配してそれどころじゃなく、一瞬でジュース&水買って来て、ついでに濡らしたハンカチと、口直しにもらった義理チョコを全部やる」

「お、俺も心配はしたって。…え、義理チョコ?もらったの?」

「そこに沢山あるじゃん」

「………」

佐助は慶次の持つ袋を指し、彼を沈黙させた。


「旦那は、怒っても後引かない人だし。まーくんも旦那をよく怒らすけど、慶ちゃんもだよねぇ。すぐ、からかうから」

「さっけだって、そーじゃん」

「あんまりやると、ぶん殴られるからさぁ。…俺ら五人にはそういうとこ見せてくれるってのは、喜んで良いことなんじゃないの。そんなので、嫌われたりはせんでしょ」

「…そっか」

ポツリとこぼす慶次に、佐助は苦笑する。


「──あのさぁ、記憶戻ったのに、思い出せない人っている?」
「え?」

「いや、『この人どっかで…』ってな感じの人が、何人かいるんだけど、思い出せないんだよ。絶対会ったことあるはずなんだけど」
「ああ…」

慶次は頷き、

「あるある、そういうの。きっと、昔身近にいた人なんだろうけど…互いの認識の低さが、関係してんじゃないかって。お前で言ったら、あえて覚えようとしなかった、末端の部下とか?」

「…皆もあるんだ、安心したわ」

佐助は、小さく息をつく。


あの時代、忍の命は他に比べると随分と軽いものだった。それで、佐助はなるべく深くは記憶しようとはしなかった──顔形などの特徴は、頭の中で記号化をしていたが。

そんな彼らも、きっと今を生きられている。
そう思うと、一瞬差した陰を払うように微笑が浮かんだ。


「もしかして、あの運転手さんも?」
「…何で、分かったの?」

「いや、幸が言っててさ。『何となく懐かしい』とか、『佐助に少し似ている』とかって。それで」
「へー…」

あの彼を思い浮かべてみたが…


「とりあえず、顔は俺様のが上だよね」
「政宗と同じこと言ってら…本当、お前らって」

佐助は嫌そうな顔をしたが、他の話題をする内、忘れていったようだった。













幸村の机に入っていた贈り物は、一年生の女の子からのチョコだったらしい。

佐助の読み通り、チョコだけではなく物も入っていたようで。


「何だったの?」
「………」

幸村は、顔を赤くして言うのをためらっていたが、

「アルバム…」
「アルバム?」

何をそんなに照れることがあるか、と不思議に思えば、

「お、俺の写真が入っていて…何枚か」
「………」


──自主製写真集?


(そりゃ、旦那でなくとも引くわぁ…)



「手紙、何て?」
「…がっ、学園祭のときから、ふぁ、ファンです、…と」
「学園祭…」


(まさか…)


「旦那、写真って」

佐助が、おず…と窺えば、


「…コンテストの…」

記憶が薄れかけていた頃だったということもあり、幸村が受けた恥ずかしさは倍になってしまったようだ。


(うーん、そりゃ何とも…)


佐助にとっても、色々と複雑である。
その子は一体、幸村の『どっち』が好きなのか…いや、彼を好きだという時点で、どちらの意味でもホッとする道はあり得ないのだが。

しかし、礼節を重んじる幸村であるので、一言だけでも礼をしに行きたいらしい。そこで、昼休みに空き教室に引っ張られ、相談を受けているというわけで。

自分の想いを知っているくせに、結構容赦ない仕打ちをするな…と思う佐助だったが、幸村にそんなつもりはないことはよく分かっている。
むしろ、どうしようもないと思った際には、やはり自分が一番に頼られるのだと思え、喜びや優越感に浸りきっていた。


「何ていう子?」
「寅若美紅、殿…という方だ…」
「トラワカミク…?」

佐助は首をひねると、「そんな子、いたっけ」

「佐助…一年生まで全員知っておるのか?」
「俺様、情報通だからねぇ。…嘘ウソ、全員ってわけじゃないよ。ただ、そんな珍しい名前なら絶対覚えてるはず…」

佐助は少し思案すると、「ちょっと待ってて」と、姿を消した。

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