特別1
※
慶次
、
政宗
、
幸村
、
元親
、
元就
かすが、捏造脇役が少し。就の出番、少なし。
年が明け、新学期〜
全員(政→幸)
慶+幸
親+幸
とにかく会話が多く、場面切り替わりまくりの、激しい乱文散文ですm(__)m
次の展開への道って感じで、ゴチャゴチャしとります。
では、お目汚しへどうぞ↓
(…やばい。すっげぇ緊張してきた)
慶次は、まだ人もまばらな通学路を、外には出さぬようソワソワしながら歩いていた。
──今学年、最後の学期の初日。
幸村とは、元旦に新年の挨拶メールをしたきり、何の連絡も交わしていない。
佐助に、どのように告げられたのか。どう思ったのか。
…もしかすると、この約一週間の間に、進展したかも知れない。
などと、他にも色々な考えが浮かんでは、複雑過ぎる感情に頭や胸をもたげていた。
結果、いつもより遥かに早く、家を出てしまったというわけである。
「Morning」
「ぉおっ…はよう」
後ろから政宗に肩を叩かれ、少々声を上ずらせてしまう慶次。
「Ha、何ビビってやがる。えれぇ早ぇし…。──だったら、さっさと聞いてりゃ良いのによ」
すっかりお見通しらしく、政宗は苦笑する。
そこには、慶次のような動揺は一つも見られない。
「…もしかして、もう聞いたとか?」
「いーやぁ?でも、お前みてーに避けたりはしてなかったぜ?だいたい、腫れ物扱いし過ぎなんだよ、お前もあいつらも」
「別に避けたりなんか…──え、で、何か話したの?なぁ」
「知らねぇ〜」
(えー…)
政宗のどこか楽しむような笑みに、焦りが沸く。
「おはようございまする、お二人とも!」
「「!!」」
そのボリュームにも驚いたが、声の主に、ビクッと振り返る二人。
「おお…はよう、幸」
「Oh、相変わらずデケー声だな。耳壊れるわ、バカ」
「今年は、昨年よりも上を目指しまするぞ!」
「そりゃ退化だろ?ちったぁ、年相応に控えめになれっての…」
耳を押さえ、迷惑そうに睨む政宗に、幸村は明るく笑い、
「申し訳ござらぬ。冗談でございまする」
「Haー?全然面白くねぇし。お前は、いつも通りで充分変わりモンなんだ、無理してすることねー」
「政宗殿には言われとうない…」
「Ah〜?」
政宗が気色ばむと、「嘘でござる!」と、笑ったまま逃げる幸村。
その後を、政宗がすぐに追いかける。
恐らく、教室で何かの勝負が勃発するに違いない。
いつも通りの光景で、周りにいた同じ学年の生徒が、呆れたように笑う。
お陰で、緊張は嘘のように消え去った。
だが…
(──何だ、あれ…)
慶次は眉をひそめ、小さな不安が広がるのを感じていた。
「てっきり、皆にも言っているものと…。しかし、何しろ急な話だったようですからなぁ」
「小十郎の奴も昨日知ったとかで、説明する間がなかったってよ。まぁ、別にどうでもいーけど」
「…信じらんねぇ」
「それほどに強いのか、あやつの父親は」
元親と元就が、まだ驚いたようにもらす。
(あいつが、幸村から長期間離れるなんて…)
──それが、全員の共通する戸惑いである。
「『旦那とこんなに離れるとか、寂し過ぎるよ…』つって、シクシクしてただろ、あいつ」
元親の言葉に、「はい」と笑って答える幸村。
「『政宗と二人になっちゃ絶対ダメだよ!?誰かと帰るときは、親ちゃん(オカン代理)を必ず携帯すること!』…なども?」
珍しく物真似をする元就に、幸村は心からおかしそうに笑い、再び頷く。
「Shit…。──ま、良いぜ。この機会に、愛を深めといてやる。な、幸村?」
「そうですなぁ」
「へ!?」
ギョッと、皆が一斉に目を向けると、
「…っ、い、いや…!なな何を申されるか、政宗殿!」
真っ赤になり、幸村はいつもの反応を示す。
「某、飲み物買って来まする!」
と、勢い良く教室から出て行った。
「………」
残されたメンバーは、一瞬シンとなっていたが、
「どうもあいつ…まだ、告れてねぇみてーだな」
「ああ。あんなに意気込んでおったというのに。──気を利かすのではなかった」
元親が言うと、元就が顔をしかめて応える。
「ったく。あいつのボケは、心臓に悪ィぜ。…てか、マジでchanceかも知れねぇ」
政宗が、半ば本気の目で呟くので、元親たちは反応に詰まってしまった。
そんな中、
「…慶次?」
さっきからずっと黙っている彼を、元就が訝しげに窺う。
「あ──。…本当にびっくりだな、いきなり…。寂しいな、何か」
「「「いや、全然?」」」
三人が同時に口にし、慶次は、ようやくいつものように笑った。
新学期が始まり、数日が経ち──
幸村と帰路をともにするのは、主に政宗と元親になっていた。
慶次はバイト、元就は生徒会で忙しく…
「あっ、おはようございまする、慶次殿」
「おう、今日も早ぇじゃねーか」
「はよー。てか、元親こそ」
慶次が教室に入ると、すぐに気付いた幸村と元親。
「職員室に行って来まする」
日直である幸村が立ち、二人は見送った。
「佐助の奴なら、ついてってたな。…てかよ、あいつ、帰り幸村ん家まで送ってたんだな。知ってたか?」
呆れたように、元親は鼻で笑う。
「知ってたよ。ただ一緒にいたいからだと思うけど。──で、元親も送ってやってんの?」
「まさか!ちゃんと、分かれ道でバイバイしてんよ。変な誤解すんなって」
慌てて否定する元親だったが、
「あ、いや…んなつもりじゃ」
と、慶次は苦笑した。
「幸、何て?さっき、何か聞かれてたろ?」
「…さすが、目ざといことで」
元親も、苦笑いで返した。
「あいつからメール来たか?ってよ。俺より先にお前んとこに来るだろ、って言った」
「ああ…」
「忙しんだろな。前んときも、結局、一度も連絡寄越さなかったしよ」
「………」
慶次は、思案顔になり、
「…本当にそうなのかなぁ」
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