一致1


政宗佐助幸村慶次元就元親

政/就/親 は、出番少なし;

政/佐/幸/慶 佐/就 親/幸

(↑ごく短い会話↑)

慶(→)幸 佐+幸(後半3ページ)

前回の翌日〜数日。クサい><
乱文散文、申し訳ありません;














「Good morning〜!…昨日貸したの、読んでみたかぁ?」


いつもと変わらぬ様子で、政宗が佐助の肩を叩く。


「…読むわけねーし。てか、どんなツラして買ったわけ?想像するだけで怖いんだけど」

冷めきった目で答える佐助。


「んだよ、続き貸してやるつもりだったのに。まぁ、一巻だけでも結構分かると思うがな…」

気が向いたら読んどけ、と言い残し、自席へ戻る。



(…ホントは、読んだんだけどさ…)


しかも、続きが気になり、レンタルコミック店に行って借りてまで。(恥は捨てた)
少女漫画ではあるが、ギャグあり冒険ありで、普通に楽しめた。
そして、恋愛要素も含まれており…

全巻読み終わり、佐助はどこか妙な気分を持ったまま、今に到る。

…何故、あんなにも感情移入してしまったのだろう。主人公を慕う、幼なじみの彼に。

最初は、その気持ちに気付かない彼だったが、次第に──という流れ。


それで、一体何が分かるのかと聞きたいところではあったが、恐らくは。


(親ちゃんが言ってたのと、同じことなんだろうな…)


どうして二人とも、いきなりそんなことを言い出したのだろう。

…自分がそうだからって、人まで同様だと思わないで欲しい。


「佐助、何か面白い本借りたのか?」

興味津々な顔で、幸村が窺う。
昨日までは、明るくあっても、ここまでのハツラツさはなかった。

改めて、安堵と忌々しさとの複雑な気持ちに駆られるが、前者の方が勝っているのは、嫌でも分かる。


「んーん。単なるエロほ」
「破廉恥ぃぃぃ!!!」
「…おー…目ェ覚める。コーヒーより効くわ」
「おっ、おおお前は」
「だってぇ、旦那に嘘つきたくないしィ〜」
「うう嘘をつけ!…こういうときこそつかぬか、馬鹿者っ…」


「おっはよ〜、お二人さん!朝から元気だねぇ」



「…慶ちゃん」

「慶次殿──」


慶次は、普段よりも笑顔で、

「俺さ、今日やっとバイト休み〜。一緒に帰ろーぜ?」


「!真にござるか、慶次殿!」
「うん、期末も近いし。無事に冬休み過ごしてーからな」
「そうですぞ、スキーもありまするし…!」

幸村は、久し振りに彼が朝の挨拶以外で会話を続けてくれることに、大いに喜んでいるようだった。



(諦めて…吹っ切れたのかな…)


どうなんだろう。──その笑顔からは、判断がつかない。
佐助は、微妙な表情で二人の様子を眺める。

が、幸村の顔を見ていると…
悔しいが、昨日と同じ思いを抱かされるのだった。












「どー思う?」

「………」

佐助の質問に、元就は無言。


放課後の生徒会室。…結局、ほとんど役員同然の働きをしている彼。
幸村は、元親に預けて待たせてあるので、心配はない。


「俺様たちの仲の良さを、ひがんでんのかなぁ」
「さぁな…。単なる親友にしては、執着が激しいからではないか」

「…何か、トゲのある言い方」
「元よりこうよ」

「就ちゃんだって、人のこと言えないよねぇ」

「では、気にしなければ良かろう。我とて、お前のように思われておるやも知れぬし。…好きに言わせておけ。幸村の耳にまで入ることはあるまい」

「…ま、そうだろーけど…」

佐助は、まだ少し仏頂面。


「難儀よな。…むしろ、そうである方が簡単に済む話であろうに…」

「え?どーいう意味?」

「……」

元就は少し間を置き、


「…であれば、これから現れる幸村の恋人の存在に怯えず、自分だけに向かすことのみに専念できる」


「──……」

佐助の呆気にとられた顔に、元就は眉を寄せ、

「例えばの話よ。しかし、そちらの方が、断然シンプルであろう?…たまに羨ましくなる」


(就ちゃん…)



「まぁ、違うのであれば考え込まぬことだ。…幸村が、不安がる」

そう睨まれ、佐助は急いで話題を終了し、作業を再開した。











幸村と元親は、職員室から教室までの廊下を歩いていた。

政宗は先に帰り、元就も生徒会で遅くなるそうだが…、元親と、本当に久し振りの慶次も加わっての、帰宅。

幸村は、いつも以上の元気の良さで、佐助を待っていた。


「何やら、良い点数が取れそうな気が致しまするな」
「まぁなぁ…。あの人、教え方上手いもんな」

二人は、小十郎に数学の指導を受けて来た帰り。──期末テスト対策も兼ねて。

慶次は、教室で待っていると笑っていたが…





『…です…!つ、付き合って下さい…っ』




「「──……!」」

顔を見合わせる二人。


教室の開いた窓から、こそっと中を窺うと、



……慶次と、女の子の姿。



(こ、これは、もしや…っ!)

あわわ、と幸村は元親を見るが、「シッ」という風に指図された。




『ごめん。好きな奴がいるから』



──何の躊躇もなく、ハッキリと。




…幸村は、意外に感じた。

何となく、彼ならもっと優しく応えるものと…。

明るく、相手をできるだけ悲しませないよう、いつものように、上手い言い回しを駆使して。



女の子は微笑み、

『…ダメもとで言ってみただけだから。──慶ちゃんに好きな人がいるって、随分前に噂があったけど…』

『うん。…まだ片想い中』

慶次が自然な笑いを見せると、相手も緊張から解放されたような表情になった。


『…じゃ、とても敵わないなぁ…』

溜め息混じりに苦笑し、『頑張ってね』とまで言い、教室から出て行く。

(もちろん、幸村と元親は、隣の教室へ隠れた)


しばらく経ってからまた覗くと、慶次は席に座り、顔を突っ伏していた。…窓に目を向け、外を眺めているようだ。


「…俺…この空気、耐えられねぇ」
「元親殿っ?」

「悪ィ、先に帰るわ。お前、後は頼むぜ?」
「えぇ…!?無理でござるよ、某…っ」

「知らねー振りしときゃいんだよ!じゃ」
「それなら、元親殿もそうすれば…っ」

「分かりやすい奴が二人もいりゃ、確実にアウトだ。任せたぜ」

元親は、スタコラと去っていく。


(そんな──)


幸村は、情けない顔を貼り付けたまま、教室のドアに手をかけた。

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