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元親慶次佐助幸村政宗元就

前回の、翌日です。佐助宅にて。

洗面器とか、用意してた方が良いかもです。

最ッ強に、クサいので…!(吐)
もう何もかもがですね、クサくてカユいです、色々な意味で。
だいたい70%?は、そんな展開です。

あああ本当にごめんなさい(@_@;)













「ただ〜いま〜」
「帰ったぜー」

慶次と元親が、買い物袋を手に、玄関先から中へ声をかけた。

──打ち上げの翌日。
昼近くまで眠り、朝昼兼用のブランチの後、それぞれまったり過ごしていた。

さすがに残してしまった昨夜の洗い物を、幸村と佐助がしていると、

「今日の晩メシは、俺に任せとけ!」

と、元親が張り切って、慶次を連れて買い物に出掛けた。

自称、『海の男』元親。
言うだけあって、魚料理に関しては、佐助や政宗以上の凄腕なのである。

さすがに今日は皆家に帰る予定ではあるが、元親は面倒さから、もう一泊する気でいるらしい。


「お帰り〜。やー、悪いね〜」

すぐに佐助がリビングから顔を出し、荷物を受け取る。

「まーくんと就ちゃん、また寝ちゃったよ」
「飲み過ぎだろ、あいつら」

「良かった。ちょうど、今から始めようとしてたとこだったからさぁ」
「え?何を?」

「旦那の断髪式」

リビングに入ると、ソファを占領する政宗たちが見えたが、すぐさま、端の方に座る白い物体が、二人の目に飛び込んでくる。


「あ、お帰りなさい、お二人とも!すみませぬなぁ」

それは、頭からすっぽり白いビニールのようなものをかぶって、椅子に座っている幸村の姿。

元親は、豪快に吹き出し、

「何でぇ、その格好?」


幸村は、むむっと、

「髪を切ってもらうのです、佐助に」

と、上の頭を見上げるように言った。


「あー…」

「いつも、かすがちゃんが切ってんだってよ。すげーよね、びっくり」
「へぇ、器用だな。てか…良いのか?こいつが切っても」

「俺様、たまに自分で切るしっつったら、許してくれた。つーか、俺様も超上手いし!かすがちゃんも、認めてくれるはず!」

「うむ。何か、佐助は上手そうな気がする」
「そーでしょ、そーでしょ!」

「あ、幸…動いちゃダメだって」
「え?」

さっきから静かだと思いきや、慶次はケータイを片手に、必死で好アングルを探している。
──幸村の。

「…何してんだ、オメーは」
「てるてる坊主みたいで、カワイィ…」

「──む…」
「あ、ウソウソ!カッコいい!」

「…慶ちゃん、それは無理がある…」

「おら、とっととメシの準備すっぜ!お前も手伝え」
「は〜い」

とりあえず一枚撮って満足したらしい慶次は、返事良く従った。



───………



シャキン…シャキン…


顔の横を、切られた髪がパラパラと落ちていく。

幸村は、かすがに髪を触られるのが大好きなのだが、佐助の指もまた繊細で気持ちが良い。
…しばらくすると、目がトロンとしてきた。


「…旦那、眠そー…。もう少しだから、頑張って?」
「──っ、寝てないぞっ。大丈夫だ」

クスクスと佐助は笑い、

「もうちょっとの辛抱ね」
「……ん…」

(うわ、本当に眠っちゃいそーだ、こりゃ)


佐助は、丁寧だがスピードを上げて仕上げにかかる。

元の髪型に近付いていく様を見て、これでひとまず安心だ、と思った。


(これなら、あの女装姿と重なることはなくなるでしょ…)


あの会場の、一体何人が彼に興味を持ったことだろう。
厄介な芽が、これ以上出なければ良いが。


(…女の子なら…それも、とびっきり可愛くて、良い子なら許すけど…うん)


「──旦那、終ったよ〜。お疲れっ」


(スゴい…完璧。俺様ってば、器用にもほどがある)


幸村の髪型は、以前のものとほぼ同じ形に戻っていた。


「…ん、──おお…!」

やはり半睡状態だった幸村は、パッと目を見開き、

「すごいな!元通りだ」

くるっと振り返って、佐助を見上げる。

「そうでしょ…──アレ?」

首を傾げる佐助。

「ん?どうした?」
「いや……何か…」


…やっぱり、完璧同じってわけには、いかなかったのかな?

何か……感じが、違うような…


「佐助?」
「…や、何でもない」


(気のせいだよな…どっからどう見ても、完璧だし)


「んじゃ、マッサージしてあげるね」
「マッサージ…?」

「美容室だと、やってもらえるんだよ?気持ちいーから」
「ほう?」

佐助が、頭のマッサージを施すと、「いたたたた」と顔をしかめる幸村。

「うっそぉ?」

手を離す佐助だが、

「──あ……何か…スッキリした」

目をパチクリさせる幸村に、ニッコリとなる。

「でっしょー?じゃ、肩とかも」

と、首元に指の腹を埋め、力を込める。
肩から首へ、そのまた逆へと、ゆっくり圧力をかけて移動させた。

「──うっ…、く、…」
「だ〜んなぁ、案外凝ってるよ〜?」

「…はぁ…、そな──のか?…っ」
「うん。しっかり、やっといたげるね」

「ふっ……ぃや、もう、充分…」
「何言ってんの。こーんな、力入っちゃって」

佐助は背中に手のひらを当て、くるくると首筋の方へさするマッサージを始めた。

「さぁ……っ、もう、良いっ…」
「いやいや、まだまだ。痛いってこたぁ、凝ってるっつーことだし」

「い、痛いのではなく、その」
「またまた〜、我慢しちゃって。大丈夫、終わればまたスッキリ…」

「ち、違う…っ、く、くすぐっ……ぅやっ」



「……へ?」



ピタッと、佐助の手が止まった。
…幸村の肩は、大きく上下している。


「だ、旦那…、あのぅ…」


(さ、さっきの……みょ、妙な声は一体…)


幸村は佐助を振り返り、

「…くすぐったくてたまらぬ……もう…」

と、懇願するように言った。


眉は下がり、目は潤み、頬は上気し、唇からもれる吐息は小刻みに震…


──佐助の頭に、目には見えない凶器が、クリーンヒットした。

それはもう見事に、脳髄に響くまでガツンと。


「ご、ごごごごめ!だんなっ」

何やら、とんでもなく悪いことをしたような気になった佐助は、普段の飄々さはどこへやら。
土下座でもしかねない勢いで、焦りまくっている。

(まぁ、平素から幸村の前だけでは、下手な態度の彼ではあるが)


「い、いや…。子供の頃から、どうにも苦手でな…。くすぐったいと言うか、…ゾクゾクすると言うか」

「い、いるいる、そこ弱いって人!結構いるし!」


幸村は溜め息をつくと、

「俺の場合、多すぎて嫌になる。首、背中だけじゃなく、腹なども」


(…あと、)


昨日の政宗の所業を思い出し、視線が胸元にいく。

…佐助は、ぶんぶんと首を振った。

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