二日目A-1


元親幸村佐助慶次政宗元就、最初に、孫市が少し。

後夜祭は少々。佐助宅での打ち上げが主。

※ホウリツに違反している展開があります…どうしよう…本当にごめんなさい…内緒にしてて下さいm(__)m ガクブルです(@_@;)
サイト開く前に、書いたゆえに; しかし、避けて通りたくはなく…。

最高にカオス。やり取り、会話が多々。
政宗ファンの方、ごめんなさい。暴走した。
幸村のキャラが、色々危険。全部私のせいです。本当にすみません。
慶次が、相変わらず恥ずかしい。

そして、前々回と同じくらい長いです(--;)













ステージ裏にいる、モデルや付き添いの生徒たちの姿は、まばらだったが…
──幸村たちは、まだ残っているはず。

キョロキョロ見渡し、


「あ──いたぜ!」

元親が二人を発見すると、向こうも、「あ!」というようにこちらを見る。

そして、嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、駆けてきた。


「だん…」
「さぁぁすけぇぇ!」

「……へ?」



──ドン!…ぎゅむ!



「ぐぇ…!」

佐助はまたもや、蛙の潰れたような声を出してしまう。


幸村が、駆けた勢いのまま佐助の懐に、タックル──いや、抱き付いてきたからである。
しかも、思い切り力強く。


「だん…な」

声を引き絞る佐助だが、


「佐助っ!優勝!優勝したぞ!スキー、行けるなっ!」

キラキラとした目で、幸村は見上げてくる。

──佐助は、あばらが折れそうだからだと思った。…また、胸が疼いたのは。


「やった…!やったぞ佐助ぇ!毎晩、かすがに猛特訓してもらった甲斐があった!本当に困難なものばかりだったが、お前との約束を必ず果たすために、俺は…──佐助?」

幸村は、どこか呆けたような佐助をキョトンと見た後、首を傾げた。


「……!!」

今の幸村の顔でその姿は、小十郎の極殺モードを遥かに超える殺傷力。

政宗などは、再び野獣化しそうなところを、元親に制されていた…。


「う──あ……やったね、旦那ぁ…!優勝おめでとう!俺様、嬉しいよ…!」

「うむ!血を吐く思いだったぞ、実は」

「うんうん、だよね!そーだよね!ごめんね旦那!んで、ありがとね、俺様のために!
今日はお祝いだね!俺様、初めからそのつもりで、もう用意しちゃってるんだけどさ」

「本当かっ!?」

パァァァ、と明るい表情になる幸村である。


「…そうか。そんなに嫌だったのか、私とくっ付くのが。──傷つくな」

ボソッと悲しげに呟く、『マーチ』のままの孫市。


「ま、孫市殿…!いえ、そういう意味ではなく!」

慌てて幸村は佐助から離れ、孫市の元へ。


「あの、この女装というものが…某、やはり男子であるゆえ、なかなかに受け入れがたく──
え、演技とはいえ、孫市殿を、ほ、抱擁…したのが嫌などでは…、──…!?
いや、あの!それは、破廉恥な意味ではなくて!つまり……つまり…〜〜、」


自分でも、何が何やら分からなくなってきたのだろう。幸村は真っ赤になり、目の中はぐるぐる回っている。


孫市は、プッと吹き出し、

「冗談だ。──すまない」

と、幸村の頭にポンと手を載せる。


「…ホント、どっからどー見ても、イイ男だねぇ」

慶次が、孫市の頭から爪先まで、感心したように眺め、

「──てか、迫真の演技だったな?」

…少し、窺うような目になる。


「そうだな。つい…役の気持ちが、入り過ぎてな」

「ちょ、マジで…」
「さぁな」

孫市は涼しげな笑みを残し、会場の方へ戻って行った。

──すぐに、大歓声が聞こえて来る。


「孫市殿のお陰でござるな!某だけの力では、難しかっただろう…」


「んなことねーって!!」


という声は全員かぶり、幸村は驚きながらも、友人思い(?)の、彼らの気持ちを嬉しく思った。


「やっと、ゆっくり見られまする」

一段落ついたように、幸村は歩き出すが、


「幸村…そのまま席に戻るつもりか?」
「元就殿?…しかし、それが慣例なのですよな?」
「そう……だが」

──皆、元就の言いたいことは、よく分かっていた。


「じゃーさ、俺のよーく知ってる、特等席に行かない?」

慶次が人差し指で上を指すと、

「あ、いーねぇ!あそこならバレずに、しかもステージがよく見えるし」

佐助も賛成、という風に頷いた。

「このままフケても良いけど、お前、何も見てねーもんな」

政宗も元親も、仕方ないというように笑う。


「さっさと案内しろ。…見つかってしまうぞ」

元就が急かすと、慶次と佐助が「こっち」と促した。












二人が案内したのは、講堂の壁面に付いている、二階ほどの高さに位置する通路。

ステージの真向かいになるところに、どこから持ってきたのか、ソファが何組か設置されている。
佐助たちだけでなく、他の少数の生徒にも知られている、ちょっとした秘密の場所だ。

ステージ袖の裏口から登れるようになっているので、誰にも見つかっていない。


六人は、三人ずつソファに腰掛け──

…れば良いものを、幸村の隣、もしくは同じソファに座るため、醜い争いを繰り広げていた。


「だぁからぁ、一人そっちに座ればいーじゃん!見てよ、親ちゃん一人で寂しそう!イジメみたいでしょー!?」

「いや、オリャ広々座れて、いーけど」

「こっちのソファのが、座り心地いーんだよ。テメーがあっち行け」

「俺があっち座ったら、一気に狭くなるし。元就、元親の隣どうぞ?いつでもからかえるよ」

「おい、慶次てめ」

「うるさい。政宗、貴様が幸村の隣など許せると思うか?この獣が」

「男は皆ケダモノです〜」
「黙れ、躾のなっていない犬が」

「…犬はやめろ。獣のがまだマシ」


「あの……ならば、某があちらに」

幸村が、元親の元へ行こうとするが、


「それじゃ意味ねぇっ!」


と、声を合わせる四人。──幸村は、首を傾げるばかりである。


ハァ、と佐助は溜め息をつくと、

「…旦那、今日は朝からずっと忙しくて、ほとんどいなかったじゃん?だから、旦那の近くにいたいんだよ…皆。多分。寂しかったのかな〜?まーくんとかは?」

「──そうだよ」
「…え、ちょっと。何、正直に答えてんの」

「政宗殿…」

「幸、俺も早く会いたかったよ。隣に座らせて…お願い」
「幸村……我とて」

辺りが薄暗いのが後押しするのか、いつもより、自分の気持ちに従順な三人。

…残念なことに、幸村は、友達としての意味でしか捉えていないのだが。

「うーむ…」と、幸村は考え込んでしまう。

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