二日目@-7
「ハイ、強制終了ー!」
司会者の声に、慌ててパッと離れるユーラ──幸村。
頬は、相変わらず真っ赤に染まったままだ。
「ハイハイ、マーチさん、惜しそうな顔しない!続きは違うところでやって下さい、コノヤロー」
「ベタな話でしたが、この二人の美しさに、関係なくなってきましたね!まぁ結局、ラブラブバカップル、ってことでしたけど」
『マーチ様ぁー!!』
『ユーラちゃあぁん!!』
『お幸せにー!』
「──あ、全然引かれてないみたいですね、アッハッハッ!」
「さて、審査の開始です。しばらく、モニター映像とともにお楽しみ下さい!」
審査中は、暗黙の了解で、生徒たちもあまり騒がない。
さわさわといった感じで、モニターと、ステージに並ぶ九組を眺めていた。
孫市が、少し身をかがめて、幸村に何やら話しているのが見える。──本当に、お似合いの二人である。
「…何だ、あの台本。誰が考えたんだ?」
至って面白くなさそうに、政宗が呟いた。
すると、後ろの席から、
「…私だが。文句あるか?」
と、かすがが覗き込んでくる。
「あの執事落ちってとこが、気に食わねぇ。地位も金もあって、クールで男前の、頭だって良いA落ちにすりゃー良かったのによ」
「…そんな付加事項、あったか?」
政宗の妄想に、呆れ返る元親。
「──Bとて、頭脳明晰だけではなく、彼女を想う気持ちは誰にも負けぬぞ」
「元就まで…」
「俺様は、なかなか良い内容だったと思うけどなぁ。ちょっとヘタレだけどね、あの執事」
「…モデルよりも数倍上品で、イイ男に仕立てたつもりだったがな」
「え、何?モデルがいんの?」
「何でもない」
「かすがちゃん…そっちの味方?」
口を尖らせ慶次が言うと、
「仕方ないだろ、孫市が執事やるのは、初めから決まってたんだ。バカップル案は、女子全員の希望だったし。と言うか、これはフィクションだ、現実は…」
頑張るんだな、──C。
かすがは口パクで言い、目を見開く慶次を、小さく笑った。
「──さぁ、ようやく審査が終わった模様です!いよいよ、上位三組の発表へと参りましょう!」
再び、ブラスバンドの派手な演奏が鳴り響く。
「第三位、エントリーナンバー…」
三位は一年生のクラス、二位は三年生のクラス。
モデルたちの名前と、素の写真がモニターに現れ、会場は感心する声や、笑い声で沸いた。
それぞれに、食堂や購買で使えるチケットなどの景品が授与され、クラスの生徒たちも大喜びである。
「さぁ!そしてそして──優勝の発表です!」
「今年のプリンス&プリンセスは…」
ダカダカダカダカ……
「……エントリーナンバー十五、二年一組のお二人です!」
『ワァァァー!!』
幸村と孫市にスポットライトが当てられ、一組の生徒のみならず、全生徒が拍手喝采を送る。
二人は、顔を見合わせ笑顔になり、司会者の前に歩み寄った。
「おめでとうございます!優勝した二年一組の皆さんには、豪華プレゼント、『スキー研修』の権利が与えられます!さらに、食堂チケットのおまけ付き!」
「やったー、優勝だ!」
「スキーだスキー!!」
クラスメイトたちは、大興奮である。
もちろん佐助たちも、『本当に優勝した!』と驚愕していた。
「え〜…、こちらのお二人の、真の姿とは…」
モニターに、幸村と孫市の普段の写真が映し出される。
『えぇぇぇぇ!!』
二年生は、孫市の顔を知っていたので驚きは少ないが、幸村に関しては、ほとんどの生徒が、ポカンとしていた。
そして、あまりの二人の変わりよう──というか、変身前の美人さ、格好良さにも、ただただ目を丸くする。
『マーチ様……いえ、孫市様…っ!』
『格好良すぎ…』
『後で、絶対写真撮ってもらお』
『真田だったんだ、あのコ!』
『信っじらんねー!確かに可愛いけど、あんっな似合うとはなぁ』
『あいつ、もう一人妹いねーのかな』
『…本当に、女だったらいーのに』
「………………」
そんな声を聞き取りながら、笑顔に黒い影が射していく佐助。
「落ち着け……頼むから落ち着いて下さい、お願いします」
元親が、青くなりながら、必死でなだめる。
「何言ってんの親ちゃん。俺様は、ずっと落ち着いてるよー?」
『マジ可愛い…』
(頼むから黙ってくれ、お前ら…!)
ステージでは、二次に受からなかった九組も別の衣装に着替え、会場に愛想を振りまいている。
「さぁ!フィナーレも残すところ、あと少しとなりましたが、その前に、一旦休憩が入ります!脇にある出店で腹ごしらえなど、是非どうぞ!」
「コンテスト出場者との写真撮影なども、このときがチャンスですよー!」
(──させるかぁ!!)
五人は、飛び上がるように席を立ち、ステージ袖へと駆けて行った。
*2010.冬〜下書き、2011.8.26 up
(当サイト開設・公開‥2011.6.19〜)
あとがき
ここまで読んで下さり、ありがとうございます!
とりあえず、色々ごめんなさい!細か過ぎるわ!
しかし、幸村の頑張りを伝えたくて…!彼は、ひたすら頑張ってんですが、奴らには色々ダメージ与えまくりです(^皿^) それで楽しいのは私だけ!すんません、ホント脳が溶けてて!
他キャラも、詳しくないくせに出したいんですよ、もうbsr大好きなんでねぇ。
長曾我部の強面たちが鶴姫にメロメロで、元親が苦い顔してたアレが大好きなんですね。オメーら、俺が一番じゃなかったんかい!みたいな。
ランキングは、しゃあないですよね、みんな美男美女なんですもん。ええ、就様は最強です。ゲーム3をしたときから、私の中で彼が天下一なんです、色んな意味で。
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