二日目@-1
※幸村以外のメイン5人に、かすが、鶴姫、謙信や、この回しか出ない可能性の高いキャラたち。
幸村と孫市は、本人たちは喋りませんが、バリバリ登場。
いきなり、フィナーレ(^^; 最初から最後まで、それだけです。なので、展開なし!
最強に事細かな描写(@_@;) 文化祭に夢を見過ぎ!
やり取りが主です;
会話に疲れたら、ごめんなさい!
寸劇が、いかにもどっかで聞いたことのあるような話です。作った話ですが、何かとカブってるかも知れないので、不快に感じられたら申し訳ありません!
「さぁさぁ、やって参りました!皆さんお待ちかねのこの時間。学園祭の花形、グランドフィナーレ!祭りの締めくくりらしく、派手に、楽しく盛り上がりましょう!」
アップテンポなBGMが流れ、実行委員会の司会役が、ノリノリでステージから会場に呼び掛ける。
たちまち、うおぉぉ〜!とか、ピーピーなどとはやし立てる声が反響した。
「まずは、クラス展示作品の入賞発表です!」
普通は最後ではないか、というところだが、この学園の常識は色々とズレている。
下位から発表され、三位に二年二組の『ファンタジー占い』が入っていた。
三成たち二組の占い館は、ちょっとホラーちっくでお化け屋敷感覚も楽しめるところが、人気の理由のようだった。
二年生は、制服に着替えている者、コスプレのままの者と様々で──佐助たちは(普段着としても見えるし、)後者である。
幸村と孫市、着替えやメイクを手伝う女子たちは、準備で舞台袖に行っているため、隣前後が少々寂しい。他のクラスでも、同じことなのだが…。
コンテストは一番時間を占めており、プログラムの真ん中。
そして後半は、人気だった大きなイベントの再演。
コンテスト終了後、出場者たちはそのまま席に戻って来るので、佐助たちは、今か今かと心待ちにしている。
(…次に発表された、部活動部門の展示は、『片倉園』が優勝だった)
「さてさて、お次は『ベストカップル賞』の発表です!──えーと…一位が三組…?
…あっ、これはあれですね!三組とも、甲乙つけ難いくらいにラブラブなので、こんな結果になったようですね!ハイ!」
その三組とは、謙信とかすが、利家とまつ、長政と市。
「何か、想像つくなぁ…。皆、自分たちこそが一番だって、主張したんだろーね」
佐助が苦笑しながら言うと、他の四人も深く頷く。
「謙信様…!」
「私たちは幸せ者ですね、こんなにも祝福され…」
「はい…!」
たちまち二人の世界に入り、バラの花をまき散らす彼ら。
「まつ〜、これで、連続七年入賞だなぁ!」
「ええ、犬千代様!今夜は盛大にお祝い致しましょう。まつが、大いに腕を振るいますゆえ」
「おお、それは楽しみだ!まあ、毎日がごちそうだけどなぁ、まつの料理は!」
「まぁ…犬千代様ったら」
こちらも、ピンクのハートが際限なく放出されている。
「えー、この二組はコメントするまでもないですね…。てか、マイクすら近付けません。感想聞けてませんが、もう勝手にやってろって感じで、最後の一組は…」
「……」
「……」
「あ、の〜…。浅井さんとお市さん…?感想などは…」
「わ、私たちはカップルなぞではない!」
「ええぇー…」
「ただの、婚約者同士という間柄に過ぎず──」
「はぁ…?え、じゃあ、今は付き合ってるってわけじゃないんすか?」
「無論だ!正式に結婚するまでは、そのような……交際など」
「へー…てことは、浅井さんは、お市さんの彼氏じゃないんですね?」
「ああ!」
司会者は、会場に向かって笑顔で、
「聞きました?皆さん!特に男子の諸君!こちらにいらっしゃる世にも美しい姫が、ただいまフリーなんだそうです!こんなチャンスは、めったに来ませんよぉ!」
途端、沸き返る会場。
「何!?貴様!」
慌てて司会者に掴みかかる長政。
「長政様怒ってる…。全部、市のせい…」
市は市で、得意の鬱々モードに入っている。
「だって、彼氏じゃないんですよね?付き合ってないんですよね〜?」
ニヤニヤと、意地悪く聞く司会者。
「…あの進行役、どっかの誰かに似てるな」
元親が呟くと、佐助以外の全員が、首を縦に振った。
壇上の長政は、プルプルと身体を震わせ、
「う──るさい!市は、私の婚約者だ!結婚するまで、誰とも交際しない!だから、余計な真似はするな!いいなッ?」
「んじゃ、もう付き合ってるってことで、良いじゃないですか。そっちの方が、心配せずに済むと思いますけどね」
「う……う、」
「長政様……市は、長政様の恋人ではなかったの…?」
「い、市…違、いや…」
「市、頑張って、長政様に似合う人間になるから…」
「市…!」
長政は、心を打たれたかのように、
「今のままのお前で良いのだ!何故なら、私はそんなお前が──」
「はいはい、よっく分かりましたよ。じゃ、あなたたちも入賞ってことで、良いんですよね」
司会者がパパッとまとめ、実行委員会が、三組に賞品を手渡した。
二人の仲をさらに深めるグッズらしいが、使い道に困るようなペアルックものなどが、毎年の恒例になっている。
ステージを降りたところで、カメラマンの彼が待ち構え、三組のツーショットをパシャパシャと撮っていた。
───………
「それでは、皆さんも大いに気になっているだろうグランプリ…『ミス&ミスター学園』の発表へと参りましょう!
──まずは、生徒部門のミスからです!
美女が多いので、毎年大接戦なうちの学園ですが…。まずは、『小野小町賞』!」
生徒部門のミス&ミスターは、上位三位までが入賞、教師部門では優勝のみ──というのが、いつもの流れである。
『準ミス』などの言い方に不満の声が多く、何年か前から、このような賞の名前に変わったらしい。
「…二年一組……河野鶴姫さん!壇上へどうぞ〜!」
「おお!すげーじゃねーか、鶴の字!」
元親は、素で喜んでいる。
「ありがとうございます!行って参りますっ」
すちゃっと手をかざし、鶴姫はぴょこぴょこ跳ねるように、壇上へ向かった。
(…親ちゃんってば。何だかんだで、やっぱ姫ちゃん贔屓なんだから)
そんな二人のやり取りを見て、佐助は、またもや微笑ましく思うのだった。
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