パラレル1
※長くてカオスです!本当にごめんなさい!
フィクションの中のフィクションなので、こう…斜めから楽な体勢(←精神的意味)で読んで頂けるとありがたいです。
キャラ男女逆転、パラレルもの炸裂。出だしから「?」って絶対なると思いますが、すぐネタ分かりますので!
破廉恥ないので、大丈夫だとは思われます…女体化とか。ネタとして見て下され;
番外編的な感じで、鼻で笑って下さい。
私の名前はサヨ。
自分で言うのも何だけど、タレント並みに整った顔に、スラッとしたモデルみたいなスタイル。
小さい頃からモテモテで、男なんてチョロいなぁって、ずっと思って来た。
てか、彼氏といてもそんなに楽しくないんだよね。私にデレデレして、色々貢いでくれたり可愛がってくれるのは、まぁ悪い気はしないんだけど。
でも、それなら男友達の親ちゃんと普通に遊ぶ方が全然楽しいし。親ちゃんは私のことを恋愛対象として見てないから、一緒にいてすっごく楽なんだよね!良い奴だし。
そんなある日、私ってばウカツにも柄の悪い男どもに絡まれちゃいました。
とってもタイプじゃなかったから、つい氷以上の冷たい態度(本性とも言う)出しちゃって…。
でも、こう見えて私、強い上に逃げ足速いから、さて、いつ仕掛けようかな?と窺ってると――
「嫌がる女性を脅すように!男の風上にも置けぬぁぁ!!」
ドカッ、バキッ、ドゴォッ!
その、ものすごく声が大きくて、見たこともないくらい可愛い顔で、だけどすっごく格好良いその彼を一目見た瞬間、私は…
――失神しちゃいました。
(…何でッ!?)
ハッと目を覚ますと、自分の部屋で、
「夢…!?」
激しくがっかりしながら起き上がると、
「も、申し訳ござらぬ!!」
ベッドの脇で頭を下げるのは、先ほどの彼。
…嘘!夢じゃなかった!…けど…?
「勝手に部屋に入ってしまい、とんだご無礼を!鍵も――いえ、それよりも財布やバッグまで!いくら慌てていたとは言え、非常識極まりなく…!」
「あ――えっと……?」
話をよく聞いてみると、気絶した私を、この彼――真田幸村さん――が、学生証の住所を見て家まで送り届けてくれたらしい。
警察とかに任せりゃ良いのに…。何て親切な人なんだろう。
普通だったら、絶対下心あるでしょって思うとこだけど、この人は違うってのはすぐに分かった。
だって、目がすんごくキレイなんだもん。何コレ、ホントに同じ人種?
私が目を覚ますまで、ずっと傍にいてくれたらしい。そんなに優しくて大丈夫?とか、ついツッコミそうになるよ。
柄にもなく感激しちゃったらしい私は、遠慮しまくる彼を必死に引き留め、夕飯を腕によりをかけて作って、「お礼に!」と食べてもらいました。
「う、美味い…!」
「ホントー?」
「はい!こんなに美味い料理を食べたのは初めてでござる!特に、この唐揚げなどは絶品!」
「良かったぁ…」
いつもなら、『嬉しい〜』とか『も〜、照れる』とか言うんだけど…彼氏には。
てか、彼氏にここまで手の込んだ料理作ったことなかったわ。褒めてくれるっつっても、所詮私へのご機嫌取りみたいな感じで、こんなに素直で心からの言葉、聞いたことないし――
……こんな人の彼女とか、超幸せだろうな。
そう思って、聞いてみると、
「かっ、かか彼女など!そのような相手、おりませぬ…!」
ええ、ウッソー!?
私、多分今日の運勢一位だ!
てか、何この可愛過ぎる反応!?
この人、超希少動物だよ!放っといたら、絶対すぐ狩られる!
私が守ってあげなきゃ、うん!!
「あの――」
『ピンポーン』
今にも口説こうとしたとき、インターホンの邪魔が入った。
「あ、すみませぬ。恐らく某を迎えに来てくれた者かと。恥ずかしいことに、まだこの辺りの地理に詳しくなくて」
「あっ、私の方こそ!無理に引き留めちゃって、ごめんなさい」
心の中では、迎えの者空気読め!と毒づいてたけど、表面ではしおらしい顔を見せといた。
「いえ、某が――」
「ううん、私が」
とかやってると、またチャイムが鳴ったので、あっと顔を見合わせて玄関へ。
――ま、私は忘れてなかったけど、邪魔された腹いせみたいな。
ドアを開けると、びっくりするほど美人な、お嬢様みたいな女の子が立ってて、さすがの私もしばらく固まった。
「ナル殿!申し訳ござらぬ」
「幸村…大丈夫だったか?」
『ナル殿』は、真田くんを庇うように私を睨み上げてきた。人を肉食獣みたいに……失礼な。
「ああ、すぐに気付かれて…夕食まで、ごちそうになってしまい」
彼は、ナル殿が私の心配をしたのだと思ったみたい。鈍感過ぎ…でも、そんなとこも可愛い!!
「サヨ殿、こちらは某の友人の…」
「幼なじみのナルです。ちなみに実家は隣同士で、今も同じアパートなので迎えに」
うわ、すっごい敵対心むき出し。わざわざ幼なじみっての強調して来たし……何、この女。
「そう、よろしくね〜」
にこやかに手を差し出してみるけど、彼女は「何故?」って顔してる。
あっそ、仲良くする気ないのね。私もそんなつもりで言ったわけじゃないから、別に良いけど。
「あ、言い忘れておりましたが、某もナル殿も、サヨ殿と同じ大学なのです」
「え、嘘!ホントに!?」
ライバルがいるのも忘れ、つい手放しで喜んじゃった…。
ナルちゃんは、ものすっごく嫌そうな顔してたけど。
マンションの下まで二人を送ると、目の前に派手な車が停まり、
「Hey!暇だから寄ってみたけど、good timing!」
英語かぶれの悪友、マサミが窓を開け手を振ってくる。
私とはタイプの違う美人だから、二人でいると何かと都合が良いんだよね。
運転手は、彼女の従兄。強面だけど、超イイ男。この、ワガママで自由な従妹をずっと甘やかしてる。
絶対に良くないと思うんだけど、彼からすると目に入れても痛くないくらいみたい。
理解不能。
もう付き合っちゃえばって言うと、それは無理ってスゴい顔をするのが、私的にはちょっと楽しい。
「Ah…?そちらさんは?」
マサミが、真田くんとナルちゃんを見て聞いてきた。……あ、何かヤな予感。
「えっと」
ごまかしても仕方ない、私は二人を紹介した。
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