納涼祭1


政宗小十郎元親佐助元就慶次幸村


夏イベントB 祭り&花火大会

政+小。政+佐+親+就。

慶・政・親・就・佐・幸。慶(→)+幸

という流れです。

※最強にクサい気がします。
他、管理人の妄想がさらに暴走してる部分も(^q^)

後書きで言い訳;;













――八月も中旬。

地元の納涼祭に繰り出すべく、政宗は浴衣に着替えていた。
紺色の、ところどころに白い線模様の入ったもので、彼の雰囲気によく似合っている。


「政宗様、これあいつらに渡してやって下さい」

両手に何着かの浴衣を抱えた小十郎が、畳の間に入って来る。

「毛利の分もありますので」
「Ahー、すまねぇな」


毎年祭りにはいつものメンバーで行くのだが、和服好きの伊達家には政宗や小十郎の着る浴衣だのは余るほどあるので、羨ましがる佐助たちに貸してやるのが、恒例になっていた。

幸村と慶次は自分の物があるので、現地で待ち合わせの予定である。


「お前は見回り?」
「ええ」

一応、教師たちは代表で何人かが祭りで巡回することになっている。



「――なあ、ちょっと聞きてぇんだけど」
「何ですか?」


「お前って、やっぱまた幸村に気があったりすんのか?」





「――……は?」



サラッと、とんでもないことを尋ねる政宗に、小十郎は固まった。


「あ、今必死にごまかそうとか考えてるな?無駄だぜ、もう」
「……」

「俺、結構お前のこと知ってんだからよ。――で、どうなんだ?」

はあ、と小十郎は息をつき、


「人のことより、ご自分のことを考えられよ」
「Ah?」

「ですから……政宗様こそ、真田が――」
「ああ。って、そりゃお前も知ってただろ?だから、聞いてんだ」

政宗は苦笑するが、小十郎は、


「…それなのに、他にもあちこち手を出されて…。そんなことでは、また昔のように全く相手にされずに終わりますぞ」

呆れたような口調に、政宗は目を丸くした。


「ひっで!お前、んなこと思ってやがったのか?…ありゃ、ちょっと間が悪かっただけだろ?あの野郎の邪魔が半端なかったしよ」

「それはともかく、今の態度は何です?誘われるままにフラフラと…。真田のようなタイプには悪印象なのでは?」

「うっせーな、余計なお世話だ」

再び小十郎は溜め息をつき、


「……確かに、自分もあいつに惹かれておりましたが――」


政宗は目を輝かせ、

「やあっと白状しやがった!昔は、ぜってー口割らなかったのによ」
「それは…自分の出る幕ではなかったからです。あの二人に比べれば…」


だが、不敵に笑い、「まあ、やろうと思えばできたでしょうが――俺のものに」

「うわ、言いやがった…」
「政宗様も、そう思っていたでしょうに」

「――まあな」

政宗も、充分自信たっぷりである。


「俺は、今も同じように思っていますよ。…あいつはやはり目立つので、つい目を引かれてしまいますが。隣にいるべき奴は……真田が決めることです」


「…んじゃ、幸村がお前に言って来たら――」


「迷いなく頂きます」

フッと、艶のある笑みを浮かべる。



(……こっわ……)



「まあ、そんなことは起こらんでしょうな。…それ以前に、俺は政宗様の応援をするつもりでしたが?」
「え、マジで?」
「なのに、その態度…。少しは前田を見習いなされ」
「うるせ、俺には俺のやり方があんだよ」
「今のままでは、決して伝わらぬと思いますがな…」

「…てかよ」

政宗は少し笑い、「俺も、お前とちょっと似た考えかも知れねぇ。…あいつが笑ってりゃ、何でも良いか――ってよ」

「…ほう」

「手ぇ出したくなるけどよ、今のままでも俺ァ結構楽しいから、別に良いかもな――とかな。俺も、大人になったろ?」

ニヤッと小十郎を見上げる。

小十郎も釣られたように苦笑し、

「…大人なら、軽々しい態度はやめるべきかと…」
「しゃーねーだろ?モテる男も辛いんだぜ?」
「ですから…」

「分かった、分かった」

観念したように、「休みが終わったら改める」

「今すぐ――」

言いかけると、


「失礼します。…小十郎様、お電話が入っております」

と、使用人が入って来た。


「ほら、電話だってよ」
「……ええ」

舌打ちでもしそうな表情で、「では、失礼」



(――あの、顔…)



小十郎たちが出て行った後で、政宗は一人含み笑いをしていた。












「えれぇ早くねーか?」


使用人に連れられ畳の間に現れた佐助、元親、元就の三人を、政宗は壁の時計と見比べ言った。


「何か、こいつが聞きてぇことがあんだとよ」

元親が佐助を見やり、「んで?」


「あ、浴衣これ?ありがと〜」

佐助は畳まれた浴衣を取り、

「先に着替えてからで良い?…多分、これが親ちゃんで――こっちが就ちゃん」

「すまぬな、政宗。片倉先生は?」
「もう出た。何か学園に寄ってからそのまま行くってよ」
「そうか…。祭りで会えれば良いが。――礼を言っておいてくれ」
「OK」

佐助は黒地、元親は藤色に流線の模様が入ったもの、元就は白地に明るい緑の染模様が施されたものに着替えた。


「うわ〜、就ちゃん似合うわー!良いなー」
「そうか?別にそちらと換えても良いが」

元就は、佐助の着ている浴衣を指し示す。

「いやいや、そうじゃなくて。浴衣そのものが超似合ってるっつってんの。…ほら、俺様たちこんな頭だからさー…」

佐助は、自分と元親の髪を両手でツンツン引っ張った。

「おい、やめろっ。崩れる」

元親が顔をしかめ、その手をどける。


「お。お前、いっちょまえに気にしてたんだな。確かに、こいつらが着てっと、そりゃあ目立つの何のって」

政宗がククッと笑い、元就へ、

「良かったよな、俺ら似合う頭でよ」
「……だな」

「くっそー、…せめて結んでこ」

用意してきたらしいヘアゴムで、佐助は簡単に髪をまとめた。


「――ま、目立つのは髪だけのせいじゃないけどね」
「言ってろバーカ」


「…で、佐助の聞きたい話とは何なのだ」

元就は優雅に畳の上に腰を下ろした。――実に絵になる動作である。
皆それに倣い、何となく向き合う形になる。

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