砂浜編1


幸村佐助元親政宗小十郎元就吉継謙信慶次三成

に、かすが、鶴姫、孫市は脇役。

最初は皆で、その後、

佐+幸、慶(→)+幸


海です♪
なのに、泳いでる描写とか少ない; 色々知識薄いのがバレバレ!

後書きで言い訳。














幸村は、紺色の水泳パンツを取り出した。
…転校前の学校の、指定の物。
学校のロゴが入っているが、普段でも充分使える、シンプルなデザイン。

さぁ、着替えるかと立ち上がると――



「旦那〜、ちょっとこっち来て?」



佐助の声に、振り返った。












「うん、眼福極めたり…」


佐助が溜め息混じりに言うと、政宗と元親も深く頷いた。


「親ちゃん、あの二人はただの幼なじみなんじゃなかった?」
「うるせー、それとこれとは話が別――つか、俺は真田妹を見てたんだ」
「上杉先生に叩っ斬られるよ」
「……今のは、冗談に決まってんだろ?――それより政宗、てめーという奴はホントに」
「Ah〜?お前の言う通り、こりゃ別だろー?俺は健康な男子なんだよ」

「…見境ないだけだろ」




――旅館から歩いて数分の海水浴場。

三人の視線の先には、水着に着替えたかすが、鶴姫、孫市らがビーチボールで楽しそうに遊ぶ姿があった。

全員ビキニで、予想通り――いや、それ以上にスタイル抜群である。
かすがは黒の、孫市は赤、鶴姫は白地にドット柄で下はミニスカート型という、それぞれのイメージにぴったりなものを選んでいる。


「姫ちゃん、細いなー」

佐助が感心したように言うと、

「お前はあーいうのも好み?」

と、元親。

「いや、一般的な感想」
「俺ァやっぱ姉さん系だな…」

ニヤニヤする政宗に、

「誰も聞いてね――あ」

早速そんな目立つ三人に声をかける男どもが現れたが、少し離れた場所にパラソルを立てていた小十郎が、すぐに彼らを散らした。


「あーあ、可哀想に」

佐助がおかしそうに笑い、「あの強面で来られたら、ホントすぐ逃げ出したくなるし」

「…やべ、小十郎こっち見てねーか?オメーら何してやがる、とか思ってんな、ありゃ」
「い、行こうぜ」

三人は急いで駆け、政宗と元親は女の子たちを誘い、海の中へ入って行った。


佐助はパラソルに入り、

「皆、遅いねー」

中には、小十郎の他に元就と吉継もいた。


「余計なもん買い込んでるんだろ、どうせ」

ここにはいない幸村、慶次、謙信、三成の四人は買い出しに行っている。
出店もあるのだが、飲み物は他で買った方が安いと、持参したクーラーボックスに詰めて来るとのこと。――人数が多いので、二つ分。


「上杉先生が、またすげぇ入れてんだろうな…。昨日も散々飲んでたくせに」

はあ、と小十郎が息をつく。

謙信は大変な酒好きで、今は杯を交わせられるのが小十郎しかいないため、昨晩はかなりの被害に遭ったらしい。
海に入る気はゼロらしく、動きやすい私服姿――小十郎も、ハナから諦めているようで同様だった。


「そういや、真田の水着…どうなったんだ?」

呆れた顔で、小十郎が尋ねた。


「ああ…」

佐助は苦笑し、「慶ちゃんの勝ちだったね、就ちゃん?」

「ああ、不本意だがな」

元就が面白くなさそうに答えた。

「ほお、…てことは」
「これは、毛利の選んだ物だったな」

と、吉継が自分の穿いている淡いグリーンのグラデーションの水着を見て言った。

「――ああ、なるほどな」
「就ちゃんらしくてキレイなやつだよね。大谷さん似合ってるよ」
「さようか」

吉継は小さく笑う。

「じゃあ、石田の分は――」
「まーくんが選んだやつ」
「…それは、意外だな」
「や、『刑部にはこれもこれも似合わん』とか言ってさ。俺様とまーくんの蹴散らして」

小十郎は、政宗が選んだという青ベースのスタイリッシュな水着を思い返していた。
確かに、そっちよりは元就の物の方が似合っている。


「何か、親ちゃんの水着見てたけど…」
「紫は、三成も好きな色なのでな」
「あ、それでか」

「……で、お前のは出番なしだったわけか?」

苦笑しつつ言う小十郎に、佐助は口を尖らせ、

「そーなんだよー。でも旦那が、この水着は自分より俺様のが絶対似合うって言うもんだからさ、結局自分で着ちゃった」

と、自らが穿いている深緑色のカモフラージュ柄の水着を見せた。


「そうか…」

小十郎はククッと笑うと、「お前ら、思い切り自分の趣味じゃねぇか。政宗様もそうだったが」

真田に似合う物――なんて、これっぽっちも考えてねぇな。

…てより、自分の色に染めてやる的な。


あいつに似合う色と言えば――




「……だーれだ?」


「――っ!」

突然、白い手が佐助の両目を覆った。

小十郎、元就も吉継も驚いたように、佐助の背後に付いた人物に目をやる。


「その涼やかな声は……孫ちゃんっ?」

くるっと振り返ると――、






「…!だんなぁ!?」


「ふはは、騙されたな佐助!いつぞやの仕返しだ!」

と、勝ち誇ったように笑う幸村の顔と、隣には同じように微笑む謙信の姿。


「あっ、先生の声だったのか!どうりで」

合点がいったような佐助だったが、「くっそ〜、騙された。だって…」


と、幸村の手を掴み、自分のもので確かめるように触り始める。

幸村よりも長く白い指で、手の平から一本一本爪の先まで。


「佐助…?」

「…ホントに旦那の手?何、このすべすべさは!これのせいで分かんなかったじゃんっ。これも岩盤浴のせいかなぁ…。……気持ち良い――」



さわさわさわさわ……



「――佐助、くすぐったくなってきた、そろそろ…」


「……何やってんだよ」


クーラーボックスを抱えた慶次と三成が声をかけ、佐助をハッとさせた。


「猿飛、貴様変態くさいぞ。真田、離れておけ」
「ひどッ」
「確かに、さっきの顔はひどかった」

吉継が、うんうんと頷く。

「おっ、俺様より、政宗のが数段気持ち悪いよ!ね、旦那!?」
「…聞き捨てならねぇな」

小十郎がジロッと佐助を睨む。


「今朝起きたら、政宗が幸村の布団に入って寝てたんです」

元就が無表情で言うと、


「政宗様…」

小十郎は頭を抱えた。

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