試合編1
※政宗、幸村、佐助、慶次、元就、元親、小十郎
かすが、謙信、鶴姫、三成、吉継、孫市
他、この回しか出ない可能性が高いキャラが何人か(^^; 出番は、孫市よりあるのですが。
私の妄想の設定を話させたようなものです; 申し訳ない。出したかった人々。
夏イベントA プチ旅行 出発編
『来週の木曜から日曜までヒマか?小十郎が、BSR夏杯(剣道)に出るんで応援に行ってやろうと思うんだが、付き合わねー?向こうは、海もあるぜ。親父の持ってる旅館だからタダで泊まれるし』
送信……と。
(――やっと送れたぜ)
政宗は、かなり情けない気持ちになりながら、ホッと息をついた。
電話にするかメールにするかで散々悩み、ひどくぐったりした気分である。
(あいつはメール打つの遅ぇからな…)
まんじりとしない心地で待っていると、メールの着信音。
『空いておりまする!しかし旅館など、ご迷惑なのでは』
(――Yeah!!)
『気にすんな。親父は俺のダチと聞くと、うるせーほどそういうのしたがるからよ。俺のためだと思って甘えてくれ。去年も元親たちと行ったしよ』
(こんなん言っときゃ、あいつのことだから…)
――再び、着信。
『よろしいのでしょうか?すみませぬ、ではお言葉に甘えて』
(Yes!!)
『かすがと上杉先生も行くらしいです。先生も剣道をされていたとは』
(Ahー、そういやな)
返信しようとしていると、他のメールを受信した。
とりあえず先に見ておこうと開くと、
『俺様も行くー!』
(――Ha?)
続いて、数件まとめて入った。
『俺も俺も!』
『では、我も(笑)』
『当然、俺もな。よろしくー』
「Noォォォ!!」
政宗は、即座に幸村へ電話をかける。
「もしもし!?」
『あ、政宗殿!ちょうど今、かけようと――え?』
「おい、もしかして、」
『あの、慶次殿が代わって欲しいと。お待ち下され』
「やっぱそーかよォ!!代わらなくて良い――」
『――もしもしィ?』
「……」
『や〜、ありがとなー!今年は幸と元就が増えて、楽しくなんだろーなぁ!』
「……お前らまで誘ったつもりねぇんだけど」
『まったまたー!…あ、ちょっと待って』
『――世話になるな、政宗。片倉先生の応援とあらば、クラス代表で我も行かなくては』
「元就、テメー。(笑)って何だ」
『よお、すまねーなー!けど、親父さんも、お前のダチが多いって知った方が喜ぶと思うぜ?』
「余計なお世話だバカ」
『まーくんにしちゃ、ナイスな企画してくれたね〜。旦那、すっごい喜んでるよ?』
「……そ…そうか。――早く代われよ」
はいはい、と佐助が向こう側で苦笑する。
『政宗殿、何とお礼を申せば良いのか!片倉先生の試合を見られるのも楽しみですが、某、皆で旅行できるなど思ってもおらず…!』
「Haーha、良いってことよ」
(んなつもり、毛頭なかったんだがな…!)
『実は、政宗殿のメールが来る前にこちらからかけようとしていたのでござる。今日は、夏期課題を元就殿と佐助と図書館でやっておりましてな?先ほど慶次殿と元親殿から遊びのお誘いがありましたので、政宗殿もと』
Ahー、そうだったのか。…ハブにされてんのかと思ったぜ。
『夏杯、上杉先生が某も誘って下さったのですが、かすがの友人たちも同行するらしく、いかがしたものかと迷っておりましてな。女子ばかりであるし…。しかし、お館様からも後学のために行って来るよう勧められてもおり』
「Huーm…。ま、どうせ向こうで一緒になるだろうけどな」
『…?そうなのですか?』
「親父の旅館、学園関係者に特別待遇で提供してるからな。多分そこ泊まるだろ」
『ははぁ、なるほど』
詳しい話は会ってからしようと、政宗はケータイを切った。
「――て訳でよ。…あいつらも来ることになった」
「どういう訳ですか」
居間のソファで寛ぐ小十郎が、眉をひそめる。
「知らねぇよ。――タイミング悪かったな、クソ…」
しかし、あの嬉しそうな声を聞けた分、良かったのだろうか。
実際、自分一人だけならあんなに喜んではくれなかったかも知れない。
…それを、今回で変えてやろうと考えていたのに。
慶次は、明らかに「抜け駆けなんて許さない」オーラを放っており、元就と元親は完全に面白がって、佐助は政宗の真意を分かってはいないが、目ざとくメールを盗み見た張本人であるのは間違いない。
「幸村が、お前の試合見られんのが楽しみだとよ」
「――そうですか」
小十郎が少し頬を緩めるのを見て、政宗は、言うんじゃなかったと思った。
(コイツ、俺が出かけたら、絶対素振りとか始めやがるな)
かすがと謙信のことが頭に浮かび、ああ、そういう常識はうちの学園にはないのだった、と思い出す。
(コイツは、油断も隙もねぇからな……昔から)
誰が見ても認めざるを得ない、渋く男前の彼の横顔を軽く睨みながらも――どこか少し楽しむような表情を最後に、政宗は部屋を出たのだった。
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