おまけ(佐幸) ほのぼの甘・破廉恥なし
「お帰り、佐助…ご苦労だったな」
「うん、ただいま……へ?」
幸村から胸に身を寄せられ、佐助は唖然とした。すぐに心臓が跳ね、『マジでっ?』とドキドキしながら、視線を合わせる。
佐助の胸元に手を置き、幸村が目をつむった。佐助は内心狂喜乱舞で彼の唇に口付け、甘く吸う。褥に押し倒しながら幸村の腰紐を緩めると、彼もまた佐助のを引き、胸元に手を入れてきた。
「今日は、やけに積極的じゃん…?」
「フ…フ…」
「…は!?」
幸村の笑みとその手の中の物に、佐助は目を見張る。それは小さな巻物で、
「皆に聞いたぞ、佐助の切り札だと。俺なら見ても良いだろう?」
「アンタ、最初からそのつもりで…ぇええ」
「どうせ見ても分からぬゆえ、なっ?」
「だーっめだって!」
が、幸村は佐助の手を避け、巻物を開いた。やはり忍が使う書である、そこには、幼子の字のような怪字が並び…
“ちかいのしょ。さるとびさすけは、しょうがいさなだのべんまるのしのび。べんまるいがいをすいてはならぬ。うらぎれば、べんまるはさすけがすきをやめる……”
「──はい、返して」
「あっ…」
巻物を取り上げた佐助は、苦々しげな表情にわずかに朱を乗せ、ジトッと睨むと、
「俺様、長旅だったのよ?その気にさせて騙すとか、あんまりじゃない」
「っ……すまん。…あの、それ…」
「じゃ、態度で示してよね」
「っん…」
再び口を吸われ、着物を脱がされ始めるが、幸村は大人しく従った。ぼうっとした態度に、佐助は苦笑し、
「昔はさ、これ見たらアンタに好かれてるって思い込めたから、景気付けに使ってたんだよ。今はお守り。…もう分かってるから」
「……あ…ぁ…」
やっと意味が分かった幸村は、かぁっと顔を染めた。まさかこんな結果になるとは思っておらず、頭がだいぶ騒がしい。
なのだが、とにかく佐助を喜ばせたい、その気持ちだけは明確で、幸村からもそれを唇で示したのだった。
「はぁっ……さすけぇ…」
「旦那…」
何か、前より素直でエロくなったような…──俺様の腕の賜物だな。
仲間からの手厚い出迎えが待っているとはまだ知らず、今宵も止まぬ情欲を迸らせる佐助だった。
‐2013.9.28 up‐
お礼&あとがき
氷垣様、素敵なリクネタをありがとうございました!前編以上に時間かかり過ぎでこれで、本当にすみません…(+_+) 少しでも楽しんで頂けるものを目指してたんですが、ギャグというよりただのカオスで。
皆、本当はデキる人たちなんですよ多分…幸村に関しちゃアホゥになるってだけで。鎌之助が最後黒いですが、あれは怒りではなく冷静判断の上での提案。十蔵のえろ本はもっと過激なのばっか、皆の手前控えたらしい。複数モブ×幸の予定が、字数取るので一人に。勇士×幸の本は、甚・海・望の誰かがこっそり出版してる。研究資金稼ぎ。
氷垣様、再び申し訳ないばかりですが、本当にありがとうございました…!
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