育てませう(前)-1


ちゃこ様、ありがとうございました♪

素敵リク「佐♀幸/破廉恥(下品OK)/♀幸村の…」脇役モブも少し

→最後のは、後書きにてご紹介^^ ほのぼの・甘・微々ギャグ

今回は前編、※破廉恥は後編。初の佐♀幸で、つい前置き(幼少期チラリ)を書きたくなり…すみません。乱文・無理背景。

佐助視点寄り。幸村の口調、ほぼ同じ。女の子らしさが(T∀T)『私』呼びは、結局出番なし; ♀相手だからか、佐助遠慮がち。一途・紳士・テンション低め。後編では多分違う


(全3ページ)













【〜佐助と幸村の、愛の(?)軌跡〜】


二人の出会いは、幼稚園だった。

当時の佐助は、アニメや特撮の、主人公の補佐役(影のヒーロー)に憧れており、単細胞だが性格・能力ともに惹かれる幸村を相手に選び、二人は親しくなった。

年長組の年には、猿飛家が真田家の近所に家を建て、二人はまた近付く。
そして、幸村が初めて猿飛宅で泊まり、一緒にお風呂に入ったときのこと…


「?なに、だんな?」

じっと見てくるので佐助が尋ねると、幸村は小難しい顔で、

「……さすけは、いつはえたのだ?それがしのは、まだなのだ…」

「…え……」


──誰よりも男らしい幸村が、実は女の子だった──…
幼い割に肝が据わっていた佐助でも、その衝撃的な事実には愕然とした。

原因は幸村の祖父で、他に男の孫がいなかったため、つい『男の子らしくしてると、その内生えてくる』などと言ってしまい、幸村はそれを信じ込んでいた。彼女は男に、それも時代劇の武将になりたがっていたのだ。

個性的な幼稚園で、男女の区別をすることがなく、プールの際も幸村は着替えが素早いので、誰も知ることがなかった。(水着は、上下ある男児用のを使用) 先生・両親らは、彼女がまさか本気で言っていたとは思わず。

しかし、最もショックを受けていたのは、当然ながら本人である。


「きっと、みんなにきらわれる……もうあそんでくれぬ……おんななんかわからぬ、おとこがいい…!」

もう幼稚園に行きたくないと引きこもり、周りを心配させた。


(だんなが……)


閉じたクローゼットの前で、佐助は生まれて初めて血の気が引いた。
幸村が、もう幼稚園に来ない。ということは──…

佐助は、頭をぶんぶん振り、


「だんな、だいじょうぶだよ…だって、おれさまきらわなかったもん。だんながおんなでも、あそびたい」

「……うそだ」
「ほんとだよ!おとこみたいなおんなのこほかにもいるし、みんなすぐなれるって…っ」

「………」

「おれさまは、ぜったいいっしょにいるから。…いたいし。……だから、いこうよ…」


「さすけ…」


──佐助は、その頃から人を乗せるのが得意だったので、同じく驚いた友達らを、上手く慣らすことができた。
それに幸村は大いに感謝し、口調は直せなかったが、『私』の一人称を使うようにはなる。

この件で二人の仲はさらに深まり、また会ったときからお互いが大好きだったので、それが恋に変わるのは間もないことであった…。


(↓あとは早送り)


小・中学校‥も、ほとんど一緒に過ごす。

中2‥周りから『付き合えば』と冷やかされ始め、思春期特有のすれ違い後、

中3‥高校を決める前にそれぞれからコクり、両想いに。

高1‥一年かけて、関係は進んだ。

高2‥現在。













期末試験も終わり、あとは夏休みを待つだけの七月の初め。

楽しい休みに向けてのアイテム探しだろう、夕方のデパートには、学校帰りの学生たちの姿が平時より増えていた。


「あ、これ良くない?」
「…っ、だが…」
「大丈夫だって、すぐ慣れるから。あんなのよりマシっしょ?」

「うっ…」

幸村は顔を赤らめ、佐助が示した方からすぐ視線を戻した。

ここは水着の展示場(男女どちらもある)なのだが、幸村はウブな少年のようにギクシャクし、一向に商品を見ようとしない。来たがっていたのは、彼女の方だというのに。

佐助が目を付けたのは、赤いボーダー柄のタンキニタイプで、パンツは白のもの。スポーティーだが、カバーアップが長めで裾が二段フリルなので、可愛らしくもある。

「へー、ホルターネックの後ろ、フードになってる。背中焼けなくて良いじゃん」

「…も、もう良い、出るぞッ」

限界を越えたらしい幸村はフロアを出て、大股で歩き出す。
佐助は「はいはい」と苦笑し、それを追った。







『女の子になって』から十年以上経った今でも、幸村はあんな調子で、二人のやり取りもほとんど変わっていない。

が、見た目は逆だった。
佐助は高校生には充分なほど背が伸び、顔やスタイルは人目を引くくらいに成長したし、幸村も平均より高い身長、端整な小顔で長い手足は、同性から憧れの的……だが、佐助のツボは、中身が彼女であるからこそ、なのだが。


(あ〜旦那似合うだろうな、絶対…!)


早く見たい早く見たいと、佐助の頭の中は、さっきからそればっかりだ。女物の水着や下着を見ても動じない彼だが、幸村がモデルとなれば、話は別。平然を装いながら、中身は中学生以上に悶々としていた。

何故かといえば、中・高の水泳の授業は男女別なため、小学生以来は、水着姿を拝めていないのだ。さらに言うと、彼女の制服のスカートは膝より少し上程度+年中スパッツ着用(お転婆なので)、私服は常にパンツのボーイッシュ。夏服の二の腕が、どれだけ眩しくありがたいことか。

しかし、驚くことに、二人は既に大人の関係にあった。高一の一年をかけて、佐助が陰で頑張った成果である。純情で恥ずかしがり屋な彼女なので、条件の揃った状況でないと、出来ないのだが。

必ず夜で、両親不在時の佐助の家、部屋は真っ暗、服は極力脱がさない──佐助が器用なので支障はないが、そろそろもう少し進んでみたい、この夏。


(水着姿を見せるのに慣れたら、少しは緩和されるかなー…ってね)


嫌われたくはないが、我慢も出来ない。ゆえに、必死なのだ。

デートも、男女の友人を交えないと行ってくれないのだが、今回は、この目的で海に誘ったのが幸いした。競泳用以外の水着姿を、友人でも見せるのが恥ずかしいらしく、『二人だけなら行く』と…

で、水着姿だけでなく、二人きりのデートも楽しみでならない佐助なのである。

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