03

「お、沖田大尉?」

「あ?」

「どういう、意味ですか?」

「どういうって……」


 ベッドに置いていた私の手が沖田大尉の手に包まれる。
 大きくて、冷たい。
 軍人らしい、固い手。


「あっ……」

「急に女の顔になるな」

「んっ!」


 ぐいっとそのまま手を引っ張られて、沖田大尉の唇が私の唇に重なった。


「だ、だめです……! んっっ」


 顔を戻したが、掴まれたままの手をまた引っ張られて、口付けられる。


 う、うそっ……どういうこと!?


「んっ……んっ! あ……んぅっ……」


 深く口付けられて数分、やっと唇を離される。


「お……きた、たい……っ」

「それがお前の女の顔か? 欲情するな」

「だ、だめです……! ここ、救護室ですよ……っ」

「じゃあ、カーテンを締めろ」

「そういう問題じゃありません! というか、セクハラです! もうっ、それ以上、からかうんだったら他の救護に向かいます!」


「そうは行かないって。そもそも、お前を救護に呼んだのはこの俺だ」

「ま、回りくどすぎます……」

「悪かったな、不器用で。っていうか、早く脱げ」


 仕方なくカーテンを締めて戻ると、今度は自分のお腹を叩く大尉。


「上に乗れ」


 言われるまま、相手は怪我人だからと体重をかけないように乗ると、軍服の裾からくびれをなぞられる。


「んんっ!」

「いい声だ」


 恥ずかしいながらも軍服を脱ぐと、くびれをさすっていた大尉の手が背中に回ってきて、ブラのホックを外した。


「ちょっ……大尉! 手慣れすぎです!」

「まあ、ちょっとしたテクニックだよ。それにしても、いい肌してるな? ──まあ、でも冬は長いしなぁ……」

「何をぶつぶつ言ってるんですか?」

「ああ、いや。ホント、いい体してるよ、お前。軍人だから、いい筋肉のつき方してる」


 さわさわと上半身のあちこちを撫でられ、くすぐったく感じているその最中、大尉の手が腰に回されて「ひゃあんっ!」とつい変な声が漏れてしまった。


「何だ、腰弱いのか?」

「っ……沖田大尉、セクハラ親父ですよぉ……」

「ははは。じゃあ、俺のズボンも脱がせてくれよ、菜月?」

「こういうときだけなんですか、菜月って呼んでくれるのは……」

「任務のときはナッツ軍曹の方が俺的には理性がギリギリ働くボーダーラインなんだよ」

「どんな理屈なんですかぁ」


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