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「あっ、来た! うわぁああああぁぁっ、これホントに立花さんのだよね? 嘘じゃないよね!?」──と、手のつけようがないほどリアクションする絢未。


「うわぁ〜……もう、ホントに感激……!」

「はいはい、よかったね」

「結の塩反応がちょっとあったかく感じるよ〜」

「何それー」

「へぇ、立花さんのアイコン、トイプードルだ!」

「うん、トイプードル飼ってるって言ってたからね」

「へぇえええ、可愛い……!」


 スマホとにらめっこすること数分、絢未は恐る恐るパネルを操作する。
 何を送ろうかと思案し、やっと決めたメッセージがあったのだろうけれど、恥ずかしいせいか、いつものすいすいと流れる指の動きがフリーズしたロボットのように鈍い。


「よしっ」

「なんて送ったの?」

「これからもずっとよろしくお願いしますって送ったの!」

「ず、ずっと?」

「そ! わ、我ながら結構、大胆に言ったよね……っ」

「そ、そうだね……」


 それから絢未はドキドキと心臓を打ち鳴らしながら返信を待つ──そんなところだろうか、スマホをチラチラと見て忙しない。


「ねぇ……お昼、終わっちゃうよ……?」

「えっ!? あっ、うんっ……でも、返信が待ちきれなくて……」

「もしかしたら、休憩が繰り上げられただけで、今、その昼休憩が終わったとか……じゃないかなぁ? うち、ちょっとしたランチとかもやってるし」

「そっかぁ……そうかもね……うん。じゃあ、休憩邪魔しちゃってごめんなさいって送っとこ……」

「うん、それがいいと思うよ。あとで返信来るって」


 絢未は名残惜しそうにしながらも、スマホをカバンの中にしまったのだった。
 おそらく気にしないようにという意味での行動だったのだろうけれど、それでも返事がまだかなとカバンを何度も覗き込んでは食べ、また覗き込んで食べて──を繰り返し、全く落ち着くことはなくお昼の終わりを迎えた。 

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