「デートするぞ」 - 21

 返す言葉が見つからない。


「まあ、それは置いといて……。奏はフリだと思っただろうけど、山下君は奏と出かけるために待ち合わせ場所に早く着いて、いろんなところに連れてってくれたんじゃないの? 少なからず、山下君は奏と出かけたかったんじゃないかなって思ったよ?」

「私と……?」

「うん。──で? どうだったの? お出かけは?」

「うん……楽しかった。山下君にショップを紹介されて、そこで心歩ちゃんっていう友達できたし、山下君といつもより話せて……手をつながれたときも、一緒にいて……ドキドキした」

「そっか。──だったら、それでいいじゃない! 今日が充実してたんなら!」

「……うん!」


 結局、結果論。
 しかし、それでも少しはすっきりした気がした。


「で? エッチもした?」

「えっ!?」

「あっ、やっぱりぃ〜。だって、すごいいい雰囲気になってるじゃない、話聞いてるかぎり。で? 山下君ってエッチ上手い?」

「わ、分かんないよ、そんなこと〜」

「エッチが上手下手なんて、気持ちいいか気持ち悪いかだよ。で? どうだった!?」

「教えないっ」

「え〜教えてよ〜」

「絶対やだぁ!」


 そんなことは……とっくに知っている。


「山下君って、絶対上手いでしょ〜?」

「絶対言わない!」


 エッチな関係なんて言えるはずもない……。

 これは私だけの秘密なんだから……。



To be continued...
- ナノ -