「デートするぞ」 - 16

 それからもなお、胸の先端をいじくり回され、下半身の奥がきゅんっと切なくなる。


 ホテルに来て、もうこんな展開なんて……!


「あっ……んん……」


 首筋に山下君がキスを落とし、ペロリと舐める。
 たったそれだけで、ビクンッと派手に体が震えてしまう。
 しかし、山下君はそれだけに留まらず、首や項を指でそーっと撫でてきて、体がピクピク反応を示す。


「これだけで感じてんの?」


 かぁあああぁっと顔が熱くなる。
 恥ずかしいが、山下君の言う通りだった。


「あっ……! や、何……っ」


 恥ずかしく思っているそのうちに、なんと山下君の舌が耳の中に入ってきて、ぴちゃぴちゃと音を立てて犯す。


「やんっ……あぅ……あ、やだ……ぁんっ」


 まるで生き物の習性のように奥へ奥へ最奥を目指していくそれは、私を辱めるのには十分すぎた。


「んぅっ……ぅんんっ」


 数十秒してか、やっと山下の舌が抜けたのだが、耳の奥にこびりついたように、水音が消えてくれない。


「あ……っ」


 息をつく間もなく、山下君は私の顎を掴んで首を無理やり後ろへ向けると、唇に口づけてくる。


 耳の水音がそのままで、今度は口の中でくちゅくちゅと舌で犯され、やけに音が反響しているように思えた。


「あん……んん……っっ」


 上顎をなぞって、歯茎をなぞって……しばらく口の中を堪能したあと、舌は外を出て顎のラインに沿って撫でる。


 はぁ、はぁ──耳で流れていた水の音がようやく消えたかと思えば、私だけの吐息が私の世界を支配する。


「ん……山下──く……っ」


 体が熱くて、それでいて重たくて……堪らず山下君の胸に背中を預けてしまうと、何を思ってか、山下君は私を持ち上げた。
 そうしてベッドまで運ばれると、優しく仰向けに寝かせる。
 少ししてから、山下君は私の上に覆い被さって、服を脱がした。


 先ほどシャワーを浴びたばかりだと言うのに、じんわりと汗をかいていたらしく、服を脱がされると清々しく感じられた。


「山下君……」