「デートするぞ」 - 15

「あ、上がりました……」

「ん」


 山下君に買ってもらった服に着替え、山下君が戻ってくるまで、待機することとなった。


 お、落ち着かない……。


 山下君が脱衣所へ消えて、ベッドの端っこに座ってそんなにしていないのに、脈が速いせいで、時間がとてつもなく長く感じられる。


 部屋はほんのり明るく、普通のホテルよりも広く感じる。


 ここって、少し高いホテルなのかな……。


 気を紛らわせようと思い、リモコンを使ってテレビをつけると、映ったのはまさかのAVで。
 突然、現れた挿入シーンを慌てて、テレビを消したのだった。


「え……ここって……」


 まさかと思って、机に置かれていたカタログのようなものをめくると、そこには大人のオモチャがあって……。


「えぇっ!?」

「んだよ、でけー声出して……」


 脱衣所のほうから聞こえた山下君の声に反応して、肩をビクつかせた。


「こっ、ここって……!」

「あ? 何だよ、今、気づいたのか……。ここはラブホだ」


 シャワーを浴び終えた山下君はなぜか上半身裸で、さらにはここがラブホテルだと知って、頭の中がパニックになる。


 だって、あんなに人が多いところの近くにラブホがあるなんて、夢にも思わない。
 そして、山下君のたくましい体つきを見て、見てしまった刺激的なシーンよりも心臓がバクバク言って……もうどうしたらいいか分からない。


「ま、そうだよな……。ラブホなんて来たことねぇだろうし」

「や、やっぱり帰ります──きゃ……」


 ベッドから立ち上がってドアに向かおうとすると、後ろから抱きすくめられてしまう。


「え……山下、く──」

「初めてのラブホだろ? だったら、もう少し体験してけよ……ラブホってとこをな」

「きゃ……山下君っ」


 お腹の辺りから山下君の手が入ってきて、いつの間に取られていたのか、ブラを押し上げられてしまう。


「山下君……んっ」


 下から持ち上げるように両方の胸を触れられ、微弱ながらに揺らされる。


「んっ……や……っ」

「嫌? だったら、何でこんなに乳首勃ってんの?」


 ぎゅっと先端を摘み、ぎゅっぎゅっと強く親指と人差し指で握るように刺激され、「あぁっ」と声が洩れる。