「こんな展開ですか!?」 - 14

「やだ──じゃねぇだろ。こんなに濡らして」


 山下君は私の愛液がたっぷり付着した手を差し出して見せ、垂れてしまわぬようにれろ〜と舐める。


「今までオモチャじゃなきゃ濡れなかったくせに、今日は濡らせるなんておかしいだろ?」

「違う……って、言ってるのにぃ……っ」

「へえ?」


 正直、私のほうが驚いている。
 確かに今までオモチャでしかしてこなかったのに、今日はこんなに濡れてしまっているのか。
 きっと、これも芦屋君や山下君にエッチなことをされつづけたせいだ。


「意外と強情なのな……じゃあ、これは?」


 クプッ……と音を立てながら、山下君の指がナカに入ってきた。
 そしてかき混ぜるように中で動き回り、やがて肉壁を擦った。


「アァッッ!」──今までにないくらいの大きな甲高い声が洩れ、その後になって咄嗟に口を塞いだ。


「や……っ」

「ほら……ナカまで刺激されたくせに喘いで……。気持ちいいだろ?」

「あっ、やめ……あァッ、や、やだっ、そこはやだぁっ」


 何度も擦られ、ビクビクと小刻みに震える。
 そのうちにガクガクと風邪のときの悪寒みたいになって、声も溢れるほどに出て……次第に強くなる快感の波に制御が利かない。


 ホント……なんでこんなことになっちゃったんだろ……。

 確かに変わりたいって思ったことは何度もあって、その度に諦めてきた。

 なのに、山下君のせいで芦屋君に出会って、二人に何をされても感じて……。

 なんで、こんなことになってるの……?


「やだ……、やだぁ……ひっく……」


 何が悲しいかなんて分からない。

 ただ、今の自分がコントロールできないんだ……。


「何……泣いてんだよ」


 私の嗚咽に気がついてか、山下君はすぐに指を抜いた。


「わ、分かんない……です……っ」

「はぁ?」

「だって、コントロール……できない……っ」


 山下君は何も言わずに私を見たまま、動かない。
 沈黙が続いて数分ぐらいだろうか、山下君は泣きじゃくる私の顎を掴んで……目尻を舐めた。


 突然のことに呆気を取られ、いつの間にか涙が止まっていることにすら気づかない。
- ナノ -