「こんな展開ですか!?」 - 07

 ──今日は珍しく芦屋君のほうから「今日は無理」となぜか私が断られ、久しぶりに友達と帰ることになった。


「なんか久しぶりだねぇ〜。いつも芦屋がいたもんね」

「うん、ホントに迷惑だよ……。あれ?」


 下駄箱の蓋を開けてみると、あるはずのローファーがなかった。


「どうしたの? あっ、靴ないじゃん!」

「え? どこに行ったの?」

「わ、分かんない……」

「体育の時間はあったよね?」

「うん、あったよ?」

「うーん……。とりあえず、思い当たるところ探してみようよ。って、ないから困ってるのか……」

「う、うん……。ごめんね、さっきに帰ってて」

「え? でも……」

「大丈夫。すぐに見つけるから」

「そ、そっか……。じゃあ、いつものカフェで待ち合わせしよ! ね?」

「うん、分かった」


 一緒に探してもらったほうが本当はいいのだろうが、迷惑をかけるわけにはいかない。


 とりあえずは探してみるしかない!


 友達と別れ、一旦は運動靴に履き替え、まずは校外で探してみることにした。
 校内を闇雲に探すよりははるかに早い。


 それにしても……体育の後といい、どうも変な気がする……。

 まさかとは思うけど、芦屋君と二人っきりで下校している場面を目撃されてしまったのだろうか……。

 考えすぎかもしれない……。


「坂下?」

「え? あ……山下君……」


 ごみ集積所のところでごみを捨て終えたのだろうか、パンパンと手を打ち鳴らしている掃除当番だった山下君とばったり遭遇。
 久しぶりの会話だった……。


「何やってんだ?」

「あ。えっと……ローファーがどっか行っちゃって……」

「ローファー? あ、これのことか?」


 袋を持っていた山下君がその中から取り出したのは、茶色の革靴……形も確かに女子のもので、中敷は赤いチェックのものだった。
 他の誰かではないとすれば、まさしく私のものだ。


「多分、私です……。でも、なんで……」

「あ? いや……捨てられてた割には綺麗だったからな……てっきり間違って捨てたのかと思ったんだよ」

「そ、そうですか……。ありがとうございます」


 捨てられてた?

 まさか、本当に嫌がらせ──