「こんな展開ですか!?」 - 06
「んー! やっとお昼だねぇ!」
「お腹ぺこぺこ〜」
「あははは。あんなに動いたもんね」
翌日、山下君や芦屋君は今まで通りに私と接し、まるで昨日のことは気にかけていない様子だった。
かく言う私はなんなんだろうなぁ──と、取り越し苦労をさせられた。
それはさておき、体育の時間が終わり、教室に戻って制服を取りに来たところ、後ろの窓際辺りに少しの人集りができている。
「ん? なんかあったのかなぁ」
「あそこって、奏の机じゃん?」
なんだろうかと近づくと、私の机の中に入れていたものがぶちまけられていた。
「あれ? 私、散らかした覚えない……」
「あ。坂下さん、うちらが来たら、こんなことになってたんだけど……」
「え? そうなんですか?」
どうやら、うちのクラスが体育の時間だった間にこうなっていたようだ。
変なの……。
「大丈夫? 何か、なくなったのとか、ない?」
「うん……大丈夫みたい。ありがとう」
教科書やらペンケースやら……もともとあまり置いておく習慣はないので、紛失物などはない。
「誰か間違ったのかなぁ」
「うん……」
とりあえず被害はないのでよかったと思い、更衣室に向かった。
「今日は教室でいいよねー。移動めんどいし〜」
「さんせー!」
「奏もいいよね!」
「うん」
「じゃあ、決定ね。──あ! そういえば、昨日のベリベリナイト観た!? 夜宵君、マジヤバかったぁ〜!」
「えー、そうなの!? 昨日は観てなかったなぁ。奏は?」
「私、観たよ。お姉ちゃん、スウィートベリー好きだし」
「あ〜そうなんだぁ」
スウィートベリーとは、最近のアイドルグループで、そのグループのレギュラー番組がベリベリナイトというバラエティ番組だ。
平均年齢は私たちと同じなのに、顔よしおもしろいと女性に人気のアイドルだそう。
私はあくまで姉が観るから、一緒にというスタンスだ。
「来週は瀬尾玄右出るから、観なきゃ!」
「ホント、アンタってミーハーだねぇ」