「こんな展開ですか!?」 - 03
ひそっと耳元で言われたものだから、たとえ顔が見えなくても赤面している自分を優に想像できる。
「違います!」
「あはは、すげー真っ赤だよ?」
「芦屋君のせいじゃないですか! なんでそんな言われ方しなきゃならないんですか!」
「いやいや……予想以上の反応でついね。すげー可愛い」
「や……やめてください……」
可愛いという単語に慣れていない私にとってはとんでもない破壊力を持っていて、顔を背けたくなった。
「何で? 俺、マジに言ってんだよ? ──あー、慣れてないんだ? そういうの」
「そ、そうです……」
「じゃあ、これからもっと言っちゃおー」
「からかわないでください……」
「だって、赤くなった奏ちゃん見たいし」
なんて押しなんだろう……。
「あ。今日、友達は?」
「え? あ……先に帰ってもらいましたけど……」
「へー。じゃあ、一緒に帰ろうよ!」
「どうせ、断ってもついてくるんですよね……?」
「まあね」
呆れて返す言葉もなく、そのまま芦屋君が勝手に後につく形で教室へ向かった。
「芦屋君って……人の迷惑って考えたことありますか?」
「え? 一応はあるよー。これでも爽やか系で通ってるし」
「そうですか……。──あ……」
教室に入ると、そこには一人、組んだ脚を机に乗せて座っていた。
「山下君……」私が不意に洩らした呼び声にその人──山下君が気がついて
「ん? お、おかえり。──で? 何で芦屋がいんだよ?」
「あ……えっと……」
「別に何だっていいだろ。な? 奏ちゃん」
「わっ」──突然、芦屋君に肩を抱き寄せられる。
なぜ、そんなことをされなければならないのかと芦屋君を見て、様子を伺おうと山下君を見れば、いたって普通に済ました顔でこちらを見つめる。
「ちょ、芦屋君……っ」
「恥ずかしがらなくたっていいじゃん〜」
「やだ……っ」
またチラリと山下君を見てみれば先ほどと変わることなく、私たち一点を見据えたままで……。
どうしてだか罪悪感を抱いてしまう。
「山下こそどうしたんだよ。もしかして、奏ちゃん待ってたとか?」
「はっ……性格悪ぃのな。お前って」
「違います!」
「あはは、すげー真っ赤だよ?」
「芦屋君のせいじゃないですか! なんでそんな言われ方しなきゃならないんですか!」
「いやいや……予想以上の反応でついね。すげー可愛い」
「や……やめてください……」
可愛いという単語に慣れていない私にとってはとんでもない破壊力を持っていて、顔を背けたくなった。
「何で? 俺、マジに言ってんだよ? ──あー、慣れてないんだ? そういうの」
「そ、そうです……」
「じゃあ、これからもっと言っちゃおー」
「からかわないでください……」
「だって、赤くなった奏ちゃん見たいし」
なんて押しなんだろう……。
「あ。今日、友達は?」
「え? あ……先に帰ってもらいましたけど……」
「へー。じゃあ、一緒に帰ろうよ!」
「どうせ、断ってもついてくるんですよね……?」
「まあね」
呆れて返す言葉もなく、そのまま芦屋君が勝手に後につく形で教室へ向かった。
「芦屋君って……人の迷惑って考えたことありますか?」
「え? 一応はあるよー。これでも爽やか系で通ってるし」
「そうですか……。──あ……」
教室に入ると、そこには一人、組んだ脚を机に乗せて座っていた。
「山下君……」私が不意に洩らした呼び声にその人──山下君が気がついて
「ん? お、おかえり。──で? 何で芦屋がいんだよ?」
「あ……えっと……」
「別に何だっていいだろ。な? 奏ちゃん」
「わっ」──突然、芦屋君に肩を抱き寄せられる。
なぜ、そんなことをされなければならないのかと芦屋君を見て、様子を伺おうと山下君を見れば、いたって普通に済ました顔でこちらを見つめる。
「ちょ、芦屋君……っ」
「恥ずかしがらなくたっていいじゃん〜」
「やだ……っ」
またチラリと山下君を見てみれば先ほどと変わることなく、私たち一点を見据えたままで……。
どうしてだか罪悪感を抱いてしまう。
「山下こそどうしたんだよ。もしかして、奏ちゃん待ってたとか?」
「はっ……性格悪ぃのな。お前って」