「ウソでしょ!?」 - 11

「帰るぞ」

「あっ」


 腕を引っ張られたことでようやく我に返ることができた。


「ご、ごめんなさい……っ」


 山下君の登場に私を押し倒したその人は退いてくれ、シャツのボタンを閉じようとすると、掴まれていた腕を持っていかれたせいで閉じることはできずにベッドへ降ろされてしまった。


「あ、あの……下着……!」

「あ? んなの、後でいいだろ。戻るぞ、坂下」

「あっ……!」


 保健室から出ていこうとする前にベッドの側に立つその人を見たそのとき、山下君をにやにやしながら見つめている姿が最後だった。


「山下……山下君!」


 山下君は私の腕を引っ張って階段とは逆方向へ進んでいく。
 掴まれた腕が痛くて何度も名前を呼んで振りほどこうとするが、びくともしない。


 やがて、山下君は進んだ先にあった普段、全く使われていない応接室に入った。
 そして私をソファへ放り、厚手のカーテンを締める。


「山下く……」

「アイツと何してた?」

「え?」

「何してたっつってんの」

「あ、あの……っ」


 私の体の上に上り、両の腕を束にして上へ掲げられる。


「や、痛い……っ」

「あ? さっきまであんあん喘いでたくせに何言ってんの?」

「だ、だって、あれは……ローター……のせいで……」

「へえ? お前、オモチャ突っ込まれたら、レイプされても感じんのか?」

「ち、違……!」

「違わねェだろ?」

「あっ!」


 くいっ──軽く胸の先を指で押されただけで、声を上げてしまう。


「それとも……俺に意地悪されたから、感じちゃってた──とか?」


 山下君が口角を上げて意地悪く笑うと、かあぁぁぁ……と顔が熱くなった。


「違……あぁっ!」


 再び──というより、先刻よりはさらに強く乳頭をぐにぐにとこねくり回され、ビクンッと腰が浮く。


「この前まであんなに嫌がってたくせにはな……。坂下は犯される方が好きなんだ?」

「違います……ぅうんんっっ」


 違う違うと言う私の口を塞ぐように、山下君の唇が重なり、問答無用に入ってきた舌でベロベロと中を嬲られる。


「うんっ……い、やぁ……ぁああ……っ!」


 強く引っ張りあげられたかと思えば加えてまたぐにぐにと刺激され……ビクッビククンッと激しく痙攣した。


 こんな……こんなエッチ、嫌なのに……なんで感じちゃうのぉ……。


 オモチャのせいでどんな刺激にも耐えられる体になってしまったのか……。
 オモチャにハマりこんでしまった自分がふがいなくて仕方なかった──。
- ナノ -