「ウソでしょ!?」 - 05

 ──カチッ



「ぅえ……?」


 山下君は音読し終えると同時に突然、リモコンのスイッチを切ってしまった。
 間の抜けた声を発して、隣を見れば、ニヤ──と笑ってみせる。


「そんなに気持ちよかったか?」

「な……っ」

「坂下ってホント、処女のくせにいい反応すんのな」

「あ、遊ばないで下さい……」

「悪ぃ悪ぃ。おもしろくて、な」


 ──カチッ ヴィィィィン……


「んっ……!」


 今度は振動が強く、思わず肥が洩れそうになるが、すんでで口を押さえることができた。
 それでも、中での振動が凄まじく、押さえられるのもギリギリだ……。


「あ……ア……っ」

「声、洩れてるぞ?」


 かぁあああぁっと顔から火が吹くほど熱くなったかと思えば、体の奥がきゅうぅぅんと切なく締まる。


「や……は、ぁん……っ、う、んん……」

「脚が開いてきたけど?」

「ひゃ……っ」


 スカートを少しめくって下着に近いところに山下君の指が這い、敏感になった体がぶるぶる震える。


「すげー汗……。なあ、今、授業だけど? ──イクなよ」

「や、無理ぃ……っ、たすけ、てぇ……」


 視界が涙で支配され、山下君の顔がよく見えない。
 けれどもきっと、山下君はおもしろそうに私を見ているに違いないと思うと、不甲斐なくて悔しくて……惨めな気持ちになる。
 自分に自信が持てたら、きっと誰かを好きになって、誰かとエッチして……幸せな学園生活を送れたかもしれないのに。

 現実は、オモチャ好きだということを人気者のイケメンにバレて、遊ばれているだけなんて──。
 悔しいよ……。


「んん……!」


 ──カチッ


 あと少しでこんな嫌な気持ちが消える──そう思ったが、またローターのスイッチが切られてしまった。


「え……っ」

「イクなよ……つったろ?」

「う……っ」

「また、おあずけな?」

「え……!」


 そう言って、山下君は私に取られないようにするためか、内側の胸ポケットに隠してしまった。
 中途半端にされ、もやもやした気持ちを解消することができないまま、私は黒板を恨めしく見据えた。
- ナノ -