「ウソでしょ!?」 - 04
「坂下」
「えっ? な、なんですか?」
「今日は持ってんのか?」
「な……何を……ですか?」
「嘘、下手だな。お前」
そりゃあ、何となく予想つきましたとも……。
それに、今日に限って持ってきてしまった。
「お前……また、リモコンをポケットに入れてるな」
「あっ……!」
入れていないと弁解するより前に、山下君は右のポケットに手を入れ、リモコンを取り出してしまっていた。
「またローターか? ローター好きなんだな」
「かっ、返して下さい……!」
「やだ。つーか、この前とは違ぇのな?」
「う……」
「何が違うんだ?」
「え、っと……振動のリズムが違うんです……。それ、ランダムで……」
「へえ? 坂下ってホント、好きなのな? オモチャ」
「う……」ぐうの音も出ない。
「あの……だから、返して──!?」
手を伸ばすよりも先に、山下君はスイッチを入れてしまった。
中に入っていたローターが動き出し、ビクッと体が震える。
「あ……ッ、山下……くん……っ」
「ん?」
「返し、て……っ」
「じゃあ、山下。たまには読め」
「はぁ?」
突然、指名された山下君は明らかに不服そうに顔を歪める。
「お前、いつも音読しないんだから、たまにはしろ」
「マジかよ……」
山下君は間に置いていた教科書を持って立ち上がり、音読を始める。
その間にも山下君は見せつけるように左手にリモコンを持ったままだ。
ひどい……注目されたまま、返してもらえるはずない……。
「ん……ッ、ンぅ……っ」
何とか声を殺さなきゃ……。
みんなに聞こえちゃう──。
「っ!?」
ヴヴ……ヴィィィィ……
音読が始まって数分後、ローターがリズミカルに強弱が繰り返され始める。
山下君を盗み見るように見上げると、私の視線に気がついてペロ、と舌を出す。
「ン……んん……ッ」
ホントにひどい……。
完全に遊ばれてる。
「あン……あ、ぅんん……ッ」
声が出ちゃうよぉ……!
「えっ? な、なんですか?」
「今日は持ってんのか?」
「な……何を……ですか?」
「嘘、下手だな。お前」
そりゃあ、何となく予想つきましたとも……。
それに、今日に限って持ってきてしまった。
「お前……また、リモコンをポケットに入れてるな」
「あっ……!」
入れていないと弁解するより前に、山下君は右のポケットに手を入れ、リモコンを取り出してしまっていた。
「またローターか? ローター好きなんだな」
「かっ、返して下さい……!」
「やだ。つーか、この前とは違ぇのな?」
「う……」
「何が違うんだ?」
「え、っと……振動のリズムが違うんです……。それ、ランダムで……」
「へえ? 坂下ってホント、好きなのな? オモチャ」
「う……」ぐうの音も出ない。
「あの……だから、返して──!?」
手を伸ばすよりも先に、山下君はスイッチを入れてしまった。
中に入っていたローターが動き出し、ビクッと体が震える。
「あ……ッ、山下……くん……っ」
「ん?」
「返し、て……っ」
「じゃあ、山下。たまには読め」
「はぁ?」
突然、指名された山下君は明らかに不服そうに顔を歪める。
「お前、いつも音読しないんだから、たまにはしろ」
「マジかよ……」
山下君は間に置いていた教科書を持って立ち上がり、音読を始める。
その間にも山下君は見せつけるように左手にリモコンを持ったままだ。
ひどい……注目されたまま、返してもらえるはずない……。
「ん……ッ、ンぅ……っ」
何とか声を殺さなきゃ……。
みんなに聞こえちゃう──。
「っ!?」
ヴヴ……ヴィィィィ……
音読が始まって数分後、ローターがリズミカルに強弱が繰り返され始める。
山下君を盗み見るように見上げると、私の視線に気がついてペロ、と舌を出す。
「ン……んん……ッ」
ホントにひどい……。
完全に遊ばれてる。
「あン……あ、ぅんん……ッ」
声が出ちゃうよぉ……!