「オレの×××」 - 10

 それはどちらで責められたい──と問われているのだろうか。


 そうなると、舌の方が痛みは感じないだろうが、距離が近い。
 とは言え、指で刺激されて痛くされるのも嫌だ。


「し、舌で……お願いします……」

「オーケー」


 山下君はブレザー、ベストを脱がし、シャツのボタンを全て開けて拡げる。
 もちろん拒絶できるものならしたいが、どうせ「秘密バラされたくねぇだろ?」と言われるのは目に見えている、なら言わない方が利口だ。


「あっ……!」


 ひざまずくような体勢になった山下君はブラも押し上げ、胸が露わにされる。
 恥ずかしいが、何とか堪えていると、山下君は胸に接近して、舐めはじめた。
 優しくペロペロと撫でるように舌が動く……。
 初めてされた愛撫に背中がぞわぞわと騒ぎ、声が洩れそうになる。
 口から出ないよう両手で抑え、ひたすら堪える。


「ん……ん……!」


 その舌が胸の先を捉えると、ぞわぞわが大きくなり、「んんっ!」と声も大きくなる。


「あ……あ……っ」


 次第に力が奪われていく気がして、喘ぎ声もはっきりしてくる。


「あっ……あんん……あ、だめ……」


 オモチャとは違う快感がやってきて、もう既に頭はぼーっともやがかかり、声を抑えることを忘れてしまう。


 それからも、山下君へずっと胸に舌での愛撫を続ける。
 それがすごくもどかしくて、下半身はもじもじと脚を擦り合わせ、奥がきゅうきゅう締めつけられる……。


「あ、あぁ……や、やだぁ……っ」


 ビクッ──ビクッ──意識と反して体も反応を繰り返す。


 このままじゃ……胸だけでイっちゃうよぅ……。


「あんっ……や、山下──君……だめぇ……っ、イっちゃうぅ……っ」


 敬語をつけることも忘れてしまうほど、オモチャとは違う気持ちよさに酔いしれてしまう……。


 もうすぐでイケそう……そう思ったのに、山下君は胸の愛撫をやめてしまった。
 はぁ──はぁ──と山下君を見下ろすと、私を見上げて微笑んでいる。


「イキたかったか?」

「え……」

「でも、まだな」


 今度は脚をこじ開けられてしまい、スカートを捲りあげる。


「すげーシミ……。胸だけでこんなんなるんだな」


 そう言われて顔が一気に熱くなるが、山下君は容赦なくそこに顔を近づけて……再び舌を這わせた。