「俺かよ!?」 - 03

「いやー。もうクリスマスの話ですかー。へー。うらやましいわー」


 教室に到着して、クリスマスのデートプランをまだ話していると、友達がすごくうらやましそうに私たちを見つめていた。
 その視線は、いつになく厳しい。


「勝ち組かー。ちょっと、さすがにリア充爆発しろとか思ったわ」

「リア充爆発しろって……それ、古くなりつつあるだろ……」


 リア充って確か、リアルに充実してる人っていう意味だったよね……。


「くー! ホントうらやましい!」

「うるさ……」


 そんなにうらやましがられても困る……。


「そういえば、今年、カウンドダウンライブを湘南駅でやるらしいよー」

「へー、そうなんだ?」

「あたしも行きたーい」

「行けばいいだろ」

「一人で行っても仕方ないじゃん!」

「まあまあ、一緒に行ってあげるよ」


 ポンポンと肩を優しく叩かれている友達は、「うわぁーんっ、彼氏欲しいよ〜!」と机に突っ伏したのだった。


「カウンドダウンライブか……。おもしろそうじゃん?」

「そうですね、楽しそうです」

「大晦日も決定だな」

「はい」


 山下君と過ごす特別な日……。
 そんな想い出が増えていくと思うと、確かに冬休みが楽しみに思えてきた。
- ナノ -