「私の秘密」 - 10
「っはぁ、はぁっ……山下、君……っ、もう、やめて──ください……っ」
「は?」
「お願い、します……っ」
「やだ」
「え……っ」
「お前さ……判ってる? 今の状況」
「え? あ、あの……?」
たじろぐ私に山下君はお互いの鼻先がくっつくかくっつかないかのギリギリまで近づき、リモコンをクルクルと回す。
「お前は今、俺にローターの操作権を握られてるわけ。んでもって、そのローターによがってるお前を見てたら、普通ムラムラすんだろ?」
「ええ……っ」
「オモチャ好きっての、黙っててやるから。な?」
山下君は私の脚の間に割って入り、顔をぐっと寄せてきたかと思えば──私の唇を塞いだ。
「ん……っ?」
どうして山下君にキスをされているのか分からずに、ただただ戸惑うだけ。
そんな私に構うことなく、山下君は唇を吸って見つめてくる。
濡れた漆黒の瞳に私が映ったように見える──そんな気がしたかと思えば、再び唇が重なる。
それはそれは長いキス──山下君の綺麗な顔が何度も左右に傾き、時折、上唇と下唇を交互に甘噛みされる。
キスなんてもちろん初めてのことで、どう応えたら正解なのかが全く見当がつかない。
キスのときの受け止め方なんて知るよしもない私は、息苦しさを覚えながら、早く離れることを願うことしかできない。
「ん……っ!」
山下君の舌が私の唇をそーっとなぞる。
暖かくて粘っこい液体をまとわせたそれが、まるで口の中に入ろうともがいているような気がする。
「ん、んん……!」
「坂下……口、開けろ」
熱い吐息混じりの命令に、必死に首を左右に振る。
人の舌が入ってくるなんて、そんなの無理。
固く唇を結んで、侵入を阻止する。
しかし──
「んっ!?」
山下君は無理やり舌を捩じ込ませてこじ開けてきた。
予想外のことに驚くしかない私。
そんな中で、山下君の舌がゆっくりと歯茎をなぞる。
「ん……っ」
それを丹念に繰り返され、だんだんと口に込めていた力が失われていくのが分かる。
息苦しさに加え、そこをなぞられるくすぐったさが力を緩める原因なんだろう。
やがて時間が経過するにつれ、背中にゾクゾクと悪寒のようなものが走りはじめる。
「んん……!」
不意に山下君の舌が舌に触れてきたかと思えば、引っ込めようとしていた矢先に絡め取られてしまい、ぎゅーっとそれが締まってくる。
「あ……」
しばらく舌を絡まれていたせいで、奥に収める力すらなくしていき、引き寄せられるように舌を出す。
先刻までのキスに飽きたのか、ぶらりと垂れていた舌に山下君の舌が這う。
舌先でちろちろと表と裏を撫でられると、また背中がゾクゾクする。
「──んっ、んぅ……ふ、ぁ……ん──あっ……!」
そんなことを数分に及んで行われたあと、ようやく山下君の唇が離れていった。
「は?」
「お願い、します……っ」
「やだ」
「え……っ」
「お前さ……判ってる? 今の状況」
「え? あ、あの……?」
たじろぐ私に山下君はお互いの鼻先がくっつくかくっつかないかのギリギリまで近づき、リモコンをクルクルと回す。
「お前は今、俺にローターの操作権を握られてるわけ。んでもって、そのローターによがってるお前を見てたら、普通ムラムラすんだろ?」
「ええ……っ」
「オモチャ好きっての、黙っててやるから。な?」
山下君は私の脚の間に割って入り、顔をぐっと寄せてきたかと思えば──私の唇を塞いだ。
「ん……っ?」
どうして山下君にキスをされているのか分からずに、ただただ戸惑うだけ。
そんな私に構うことなく、山下君は唇を吸って見つめてくる。
濡れた漆黒の瞳に私が映ったように見える──そんな気がしたかと思えば、再び唇が重なる。
それはそれは長いキス──山下君の綺麗な顔が何度も左右に傾き、時折、上唇と下唇を交互に甘噛みされる。
キスなんてもちろん初めてのことで、どう応えたら正解なのかが全く見当がつかない。
キスのときの受け止め方なんて知るよしもない私は、息苦しさを覚えながら、早く離れることを願うことしかできない。
「ん……っ!」
山下君の舌が私の唇をそーっとなぞる。
暖かくて粘っこい液体をまとわせたそれが、まるで口の中に入ろうともがいているような気がする。
「ん、んん……!」
「坂下……口、開けろ」
熱い吐息混じりの命令に、必死に首を左右に振る。
人の舌が入ってくるなんて、そんなの無理。
固く唇を結んで、侵入を阻止する。
しかし──
「んっ!?」
山下君は無理やり舌を捩じ込ませてこじ開けてきた。
予想外のことに驚くしかない私。
そんな中で、山下君の舌がゆっくりと歯茎をなぞる。
「ん……っ」
それを丹念に繰り返され、だんだんと口に込めていた力が失われていくのが分かる。
息苦しさに加え、そこをなぞられるくすぐったさが力を緩める原因なんだろう。
やがて時間が経過するにつれ、背中にゾクゾクと悪寒のようなものが走りはじめる。
「んん……!」
不意に山下君の舌が舌に触れてきたかと思えば、引っ込めようとしていた矢先に絡め取られてしまい、ぎゅーっとそれが締まってくる。
「あ……」
しばらく舌を絡まれていたせいで、奥に収める力すらなくしていき、引き寄せられるように舌を出す。
先刻までのキスに飽きたのか、ぶらりと垂れていた舌に山下君の舌が這う。
舌先でちろちろと表と裏を撫でられると、また背中がゾクゾクする。
「──んっ、んぅ……ふ、ぁ……ん──あっ……!」
そんなことを数分に及んで行われたあと、ようやく山下君の唇が離れていった。