「──のカタチ」 - 09

「あ……!」


 山下君は私の体を押し倒し、胸を揉みほぐす。


「んん……! や、──あぁ……」

「すげーイイ顔してる」

「あ!? や、引っ張らないでぇ……あぁ!」


 胸の先を摘み、ぐいーっと引っ張りあげるその手に身を捩って堪えようと奮闘するけれど、やっぱり我慢できずに声が出てしまう。

 こんな声……お姉ちゃんにも、お母さんにも聞こえちゃうよぅ……。


「うーん……お前って感度いいからな……」

「あ!」──山下君は突然、私の体を起こしたかと思えば、強制的に四つん這いにさせる。
 さらには、すぐそばにあったクッションを引き寄せて、私の顔の下に置く。


「や、何──! ん!」


 ぽすっと口をクッションに当てるように顔を下ろさせた山下君。
 一体、何をさせようとしているのか──いや、なんとなく予想はできているが──、自分の意思で顔を上げて山下君に問う。


「な、何するんですか?」

「ん? いや、下に姉貴とかおばさんいんのに、やらしい声聞かしたくねぇだろ? だったら、何かで防げばいい。だから、この体勢」

「こ、こんな格好……っ」


 必然的に山下君にお尻を突き出すような形になっているこの状態に、恥ずかしい以上も以下もない。


「でも、上にクッション置いても意味ねぇだろ? つまり、これがベストだ」

「そ、そんな──ん!」

「それに、たまにはバックもいいぞ?」

「ん、んー!」


 それは単に山下君がしたいシチュエーションなのでは──言い返したかったが、それよりも、山下君は私のお尻を撫で回しはじめてしまい、それが叶うことはなかった。


「ん……んーっっ」


 先ほどまではできていた顔を上げることすら、お尻を撫でられているだけで阻まれ、くぐもった声を出すことしかできない。

 ただ撫でられているだけなのに……これだけで、体の自由が利かなくなってしまうなんて。


「ん、んん……んんっ」

「パンツ、濡れてきたけど?」

「ん……!」


 確かに湿っていく感じがよく分かる。


「気持ち悪ぃよな……脱がしてやるからな」

「んっ!? ん、んー!」


 スカートをめくり、下着まで脱がされてしまい、濡れているせいなのか、スースーとどこからか吹いてくる風が気持ち悪く感じられる。


「濡れてんな……。ビッチャビチャだな」
- ナノ -