「──のカタチ」 - 08

 では、どういう意味なのか。
 そう訊ねるよりも早く、山下君はオフショルダーの襟の部分を下に引っ張って、服を下へずり下げた。


「きゃ……!」

「すげー脱がしやすいな、これ」


 キャミを脱がすと、はらり──ブラの肩紐がひとつ落ちると、山下君は後ろに腕を回して、ブラも取ってしまう。


「あ……! 山下君!」

「しー。でけぇ声出すなよ……。下に聞こえるぞ?」


 私の唇に人差し指を立て、ゆっくりとそれの輪郭をなぞったと思うと、そのまま私の口の中に差し入れる。


「ぅんん……!」

「ほら、舐めて」

「んん……っっ」


 おずおずと舌を出して山下君の指先をペロリとひと舐め。
 それを何度か繰り返して、ちろちろと舐め続ける。


「今度は吸って……」

「んむ……っ」


 恥ずかしくて涙が溢れそうになりながらも、ちゅうちゅう吸う。


「ん、ん……っ」

「ん、いい感じ……」

「ぅんんっ」


 中指も奥に入れてくると、ただ覆っていた下着を取っ払って、山下君は胸の先を口に含んだ。


「んっ……んんっ……んー!」


 吸って舐めてを繰り返されて、洩れてしまいそうになる声を山下君が指で防ぎ、吐き出しようのない快感に負けてしまいそう。
 それでも、刺激され続ける体はビクビクと反応だけを示して、それに比例して涙が込み上げてくる。


 こんな……こんな無理やりな感じなのに……気持ちいいなんて──。


「奏──」


 ふと私の名前を呼ぶ山下君。
 そうしたら、山下君は指を抜いて再び私に深く口づける……。


「ん、ん……ふぅ……っ」


 頭がくらくらして……押しつけられる舌になんとか応えることだけが私のせいいっぱいだった。


「ふあ……っ!」


 きゅうぅぅんっ──奥が切なく締まったかと思えば、意識が一瞬だけ飛んだ気がした。


 山下君は私の異変に気がついてか、それとも満足しただけなのか、唇を離した。
 その瞬間、私は力が抜けてしまい、山下君の胸に顔を預けた。


「はぁ、はぁ……」

「何? もしかして──キスでイっちゃったのか?」

「っ……!」


 紛れもなくその通りで、私はろくに声も出せずに赤面するしかない。


「お前ってホント……淫乱……」