14濃く、熱く、幸せな時

「ン、はァ……っ、はァン……ッ──ぁああッッ」


 口の中に舌が入ってきた瞬間、突然、凌君の体が動き出して何度も突き上げてくる。
 なんとも力強いその腰遣いに、ぶるぶる体が震動する。


「アッッ……はっ──はァッ!?」


 気持ちいい奥──Gスポットを疲れたその一瞬、再びフラッシュが見える。
 凌君はここだと捉えたみたいで、同じ動きをしてそこだけを刺激する。


「くッ……ンっっ」

「はッ、はァッッ、はァアアァ! あっあっあっ──あァァアアアっっ!」


 締め上げられているのか、凌君もキスしている間に大量に唾液を零していき、私は絶頂を迎えた。


「も……イっちゃ、たんです、か……?」


 つらそうにしながらも、凌君は笑いかけてくれる。
 距離がないために、発音する度に口から熱い吐息が顔にかかる。


「だって……気持ちいい」

「俺も、気持ちいいですよ……やっと──先生と繋がれた気がします」


 私もそう思う。
 処女を奪ってくれたのは紛れもなく凌君のはずなのに、あのときより嬉しい気がする。
 それはきっと、やっと自分の思いを──お互いの想いを吐き出すことができたから。


 二人にだけ許された今、この瞬間は一番の至福の時間……。


 溢れた想いのままに凌君の手を掴み、真っすぐに見つめるといった行動に繋ぐ。
 すると、凌君はそれに手を握るという形で答えてくれた。


「凌君……大好き」

「俺も……好きです」


 ズッ……パンッパンッパンッ……


 凌君は再び動きはじめると、ピストン運動のように浅く深く腰を振る。
 それに応えるように私の体も揺れ、やがて二人の肌がぶつかり合う。


「アッアッアッ──! やっ、っ……イっ、イっちゃあ……っ!」

「くゥッ──いいですよっ……俺も──ッ」


 ぎゅうぅっと強く手を握られたそのとき、中で勢いよく流れ出る熱いモノが放出される──それが最後の記憶だった……。

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