10想いがこぼれる
「綾菜先生……?」
「何?」
「セックスしていいですか」
「いいよ……」
承諾を得た凌君は私の上半身を晒して、胸の膨らみへ手を置く。
「先生の体って綺麗です」
「ありがとう──んっ」
凌君の指が乳頭を優しく撫でただけ固くなっていく気がして、声が出てしまう。
本当に触っているのかどうか判らないタッチに、もどかしさと羞恥が同時に襲う。
「こんな触り方で乳首が勃っちゃうなんて……相変わらず敏感ですね」
「んんっ……今日ぐらいは優しくしてよね……っ」
「俺、優しくするつもりありませんよ? この先も、そのうーんと先も、ね。だって、先生は意地悪されるの、好きでしょ?」
「う……。だってそれは、凌君だから……アァッ」
「ほら……そうやって、俺のことをわざと煽ってるんですよ?」
ぴしぴしと人差し指で単調に動かしていたのもつかの間、速度が早まって、たちまち胸の先端が尖って固くなる。
「すっごく固くなりましたね……先生は乳首イキしちゃうぐらい、乳首大好きみたいですから、何回もイカせてあげます」
そうして宣言通りに何度も乳首だけでイカされて、ぼんやりとした頭で嬉しさを噛みしめていた。
「や、も……そこぉ……ッ、だめぇ……」
「ダメ? じゃあ、次は下ですかね?」
私の足を立たせて思いきり広げ、優しく丁寧にストッキングを脱がした凌君は下着の上から溝をなぞる。
たったそれだけでいやらしい音が聞こえ、体がビクリと強張る。
それほど凌君に触ってもらえることが嬉しいのと、期待で濡れてしまっているのだと思うと、恥ずかしい。
「やっ……」
「何が嫌なんですか?」
「だって私、凌君に触ってもらえるのが嬉しくて……でも、恥ずかしい……。こんなに濡らして……っ」
「今さらじゃないですか? それにうれしいですよ、俺。うれしいって言ってもらえて……やっと、綾菜先生を手に入れられた気がするし」