10気付くもの
我慢できずに、すっかり熱を持った下半身を、三日月の尻に擦り付けるように腰を動かす。
バシャ、バシャ──
もし俺が犬ならば。
尻尾を振って、速いテンポでリズミカルに水を叩く。
その音が、俺がどれだけ盛っているかが判る。
「はぁ! ンンッ、やぁンッ」
ズボン越しだからよく判んないけど、擦っていくうちに明らかに水とは違うぬくもりある液体がまとわりついてくる。
「やっ……だめっ、アア! 気持ちい、よォ……っ」
ビクンビクンと三日月の秘裂が動くのを感じて、荒くなる息と抜けていく力。
まるで力を絞られたような倦怠感を押さえ込むことができず、三日月の肩に顔を置いて開いた口から溜まっていた息と唾液がこぼれ落ちる。
ヤベ、マジに気持ちいー……!
「あッ、あア……ッ」
腰を打ち付ける俺、腰を揺らす三日月。
そんな二人が奏でる水音は、感覚で五線譜に音符を振った耳障りなメロディ。
なのに、三日月の声が、歌声として、俺の耳を優しく響く。
これなら……このまま挿れられるんじゃね?
しかし、そんな軽い気持ち──は、綾菜先生というおもりによって打ち消される。
ダメだ……俺はまだ、忘れられていない──先生とのあの感覚を。
俺の心を満たしてくれる、それはきっと彼女じゃなきゃダメなんだ。
俺──