09再燃する

 だが、今は彼女で、性欲も、こんな感情も処理しなくては。


 唇を吸って、舐めてを繰り返して食(は)み、三日月の舌に舌先を擦り付けてみたりと、得意のAVの真似をしながら、自分の心に放火する。


「ふぁ……」


 気持ちいいのか、それとも幸せなのか。
 ガキにしては悩ましい表情で、さらにその悩ましい声を発させながら、俺の背中に腕を回してくる。
 三日月のその腕がより一層に俺を締め、三日月の体を意識した俺の息子がむくむくと反応する。


 所詮はガキであろうと、女に代わりはない。


 そんな格言めいた台詞を頭の隅に置いて、唇を離す。


「次は何する?」

「あ……じゃあ、後ろから抱きしめて、ほしい……」


 言われた通り、水を弾かせながら三日月の背後に回って抱きしめる。


 後ろから見える、三日月の大きな胸──
 綾菜先生はBとちょうどいいサイズで、三日月はFぐらいか。


 肩までの長さの髪から、プールに使われている塩素系、それと混じったオレンジかなんかの柑橘系の匂い──。


 ヤベー……また、ムラムラしてきた。


 消えたはずの火はただ燻っていただけで、ちょっとしたきっかけで再び点火する。


 だ、抱きしめてとしか言われてねぇけど……我慢できるかよ……っ!


 それでもぐっと堪える。
 待てをされるほど、その後ありつけるエサが美味しいと知っているから──。


 必死に、高ぶる感情も熱も捩じ伏せて、目の前の飼い主がよしと許してもらうのを待つ。


 夕陽がもうすぐ闇に飲まれていく──そんなとき、三日月の手が俺の手に重なって、その手を胸に持っていかれる。
 すると、固くしこった突起と柔らかい肉の塊が掌に当たる。


「ん……っ」


 三日月は俺に何の許可もなく、ただ俺の手を操って胸を揉む。
 その都度、さらに固くなるその突起。
 そして、俺の下半身も……。


「ん、は、……ぁあ……っ」


 力を入れられ、さらに当たる心地いい感触。
 手にかかる、三日月の熱い吐息。
 俺の耳を掠める、悩ましい声。


 この感覚が俺の欲を引きずり出す。


 たまんねー……!

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