08冷えと熱
開いた三日月の入り口に指を奥深く突っ込み、一気にクリトリスを触る。
爪を立たせながらそこを掠めると、三日月の腰が大きく痙攣しながら崩れる。
「やぁっ!? やめ、やめて……!」
「ふーん。じゃあ、やめよっか?」
しかし、三日月の言うこととは裏腹に、俺の言葉に反応する。
急速に指を絡めるように肉襞がうねり、腰が左右に微かに揺れ始める。
「やあ、それも……やだよぉ……っ」
「じゃあさ、俺にどうしてほしいわけ?」
ヌプ……と優しく指を動かして、内の壁を擦ってみると、短く悲鳴を上げる。
それを、何度も続けてみて、三日月に次の言葉を紡がせる誘導をする。
三日月はただ、俺の指に応えて、ビッチのように腰を振り続けるのみ。
そして、三日月の口から小さな泣き声なのか、それとも鳴き声なのか──と、嗚咽も混じっている。
俺は、そんな小さな声だけじゃ満たされない。
もっと、俺を駆り立ててくれ。
もっと、俺を高揚させてみろよ。
「もっと、優しくして、ほし……い」
「優しく?」
「うん……」
優しく、か。
それなら……いや、そうか。
最初はその願いを捩じ伏せてやろうかと思ったが、本人が決めたことだ。
なら、あくまで本人が望んだ「優しく」を体現して接してやらなくては。
「じゃあ、三日月。おいで」
「う、うん……」
三日月は再び入水し、俺と向かい合う。
「次はどうしよっか?」
「キス──してほしいな……」
「そうしよっか」
三日月は一瞬、驚いて目を見開いたが、すぐに冷静さを取り戻して瞼を下ろす。
彼女の意に答え、"優しく"唇に触れた。
当然ながら、綾菜先生とは違う、ぷにぷにと若い弾力が返ってくる。
だが、先生の唇は口紅のおかげでか、艶やかに光らせ甘い匂いを漂わせる。
そんな、"女性"を味わってしまった俺にはそんな弾力はどうでもいい要素だ。
正直、それ以外には何の魅力も見いだせず、俺の興奮が鎮火していく。
やっぱり綾菜先生じゃなきゃ、ダメなんだ。
俺は、綾菜先生を見るだけで──思い出すだけで、こんなに熱くなってしまう。
体も、心も……。