07消えない残像

「な、何?」

「見りゃ判るだろ。ほら、パンツ下ろして」


 そんな命令に容易く従い、下ろされた下着を脱がす。
 さらに、スカートを持つように指示すると、俺はすかさず三日月のアソコを舐め始めた。


「あっ! やっ、それ、やだっ! やぁあああぁっ……」


 茂みを掻き分けていって膣に舌を入れ、まだそれほど濡れていない中を湿らせていく。


 肉襞が舌に当たってざらざらする。
 きっと三日月も同じで、動く舌と連動して声を出し、下半身を震わせながらも、俺の頭を押さえつけてくる。
 とは言っても、添えられているというぐらいにしか認識していないが。


「あんっ、ああ! らめえ……っ」


 何でもっと鳴かない。

 もっと鳴けよ。

 空にこだまするぐらいの大声で。


「もっと鳴き狂えよ。それとも、まだ刺激が足んない?」

「やあ! そんなっ、もう許してぇ……」


 だったら泣き喚け。

 もちろん綾菜先生だったら、もうとっくに泣いているだろうが。


 しかし、このままにしておくわけにもいかない。


「じゃあ……イク?」

「えっ……! イッ……!!」


 三日月の顔が一瞬にして、夕陽より濃い朱に染まる。
 それほど経験がないのは大体はわかっている。
 こうして淫語を並べて、羞恥心を駆り立てさせようと考えた。


「次は俺にアソコの穴見して。できるだろ?」


 だが、三日月は「っ……、いや……」──か細い声で拒否した。


 そんなことは判っている。
 ただ、そのうち三日月の心境が揺らぐに決まっている。
 あの言葉に偽りがなければ……。


「ふーん。じゃあ、俺のことが嫌いなわけか。ただ、俺と付き合えば、自分に箔がつく……そういう魂胆だったわけな。汚ぇ女」

「ち、違う! 私は本気でっ……!」


 来た。


 所詮は、惚れた弱みというものに託つければ、相手の心など簡単にハンドルとして動かせる。


「だったらさ、俺の言うこと聞けるだろ?」


 止めだ。


 そう言うと、三日月はしぶしぶという風に背中を見せて、こちらに穴を向ける。


「いい子だな……そういう子、俺は好きだぞ」


 こんなに人を罵ったことがあったか。

 それぐらい、俺は綾菜先生のことで頭がいっぱいだった。


 三日月の声を、三日月の顔を、自慰をどんなに回を追っても、綾菜先生のことが忘れられない。
 頭がおかしくなりそうだ……。

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