「ねぇ、柳ってインポなの?」

しばしばコイツの事を予想がつかない、変な女だと思う。

「……何故そう思う?」

部室のベンチに座って可愛らしくこっちを向いて笑うのも、きっと彼女の策略なのだ。だから俺はその間も、データを書き留めるのに右手を忙しなく動かす。

「だって皆がー"柳はエロ本もAVも持ってない"って」
「……今はパソコンさえあれば、それに変わるものが手に入るからな」

俺の言葉に、なまえの瞳が丸く開かれる。俺の言葉が意外だったようで、彼女はすぐに声を上げて笑い始める。女性特有の高い声、しかし悪い気はしない。

「なんだぁ、デマだったの」

清楚な彼女の外見とは裏腹に、彼女の性欲面でのふしだらさは部内で知れ渡っていた。幸村が入院中の今は言うまでもない。彼女の過激なボディタッチや振る舞いに、下半身を刺激された部員も多い。彼女に非があるにも関わらず、彼女のその、純粋な乙女の外見に、トイレで罪悪感を感じる者もいた。

「……なまえ」
「なに?」

いつの間にか俺の背後まで迫っていたなまえが、椅子に座った俺と机の間、そこに足で割って入ってきた。

「……何か用か」

俺と向き合って、俺の太ももに腰を下ろすなまえ。首に手を回されて、心地よいシャンプーの香りに包まれた。

「ふふ、対面座位って言うんだってー」

笑うなまえに眩暈がした。冷静を装って、彼女の腰を掴んで退かそうとするが、なまえは俺の首に抱きついて離れなかった。胸を押し付けられて、その感覚に体温が上がった。

「いい加減にしろ、怒るぞ」
「えー柳に怒られたら私、濡れちゃうかも」

はぁ、と甘い吐息を漏らしながら、ゆるゆると腰を前後に動かし始めるなまえ。その姿は俺が見てきたどんないやらしい写真やビデオよりも妖艶で、背徳感を感じた。

「勃ってきたね」

俺の勃ちあがった下半身に、擦りつける様に動く、なまえの腰。首に回された手が暖かくなっていた。

「……なまえ」
「はぁ……んっ」

聞く耳持たず、といった状態で、さらに腰を動かし続けるなまえ。時折漏れる「んっ」とか「あぁ」とか言う声が、いやらしくて堪らなかった。濡れた唇に口付けてみれば、彼女は抵抗もせずに舌を絡めてくる。熱い。

「……はぁ……びしょびしょになっちゃった」

スカートを捲り上げて、染みの出来たパンツを見せ付けるなまえ。そうして俺の右手を取って、そこへと導くのだ。

「ね、柳が気持ちよくして……?」
「……あぁ」

彼女からこうして誘われることは何度かあった。だがなんとなく、そこで最後までしてしまうのは惜しい気がして、寸前で止めてきたのに。
右手でパンツを器用にずらし、十分に濡れたそこに中に指を入れると彼女の声は一層高くなった。

「はぁんっ」

乱暴にかき回して、何度も良いところを擦ってやった。なまえの腰がいやらしく何度も震え、パンツを濡らす。

「やな、ぎぃ」
「……なんだ」
「いれてぇっ」

この状況で我慢できる男が居るだろうか。居るのなら名乗り出て欲しい。ぜひその術を教えてもらおうじゃないか。俺がもう完全に立ち上がった自身をなまえの熱いそこに挿入するまであと、30秒。


彼女とのはじめての行為は、気持ち良いという言葉だけでは言い表せないほど熱く、いやらしかったのだ。
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