「もう耐えらんない!!」

そんな声が部室に響いた。部室内には俺と仁王先輩と丸井先輩、そしてマネージャーであるなまえ先輩がいる。この高い声はもちろんなまえ先輩の。

「唾は飛んでくるし変な目つきだしもう嫌!!」
「まぁまぁそう言いなさんな」
「超天才的な俺を持ってしても無理。しかもあのハゲ俺だけ指名率高すぎだろい」

どうやら同じクラス三人が歴史のハゲ先について話しているようだった。丸井先輩がギャーギャー文句言うのはなんか納得だけど、なんつーか、なまえ先輩も言うんだ、そういうの。

「岸川っすよね、歴史の」

さりげなく会話に入ってみる。すると先輩がふっと後ろを向いて、俺を見上げる。でっかい目が俺を捕らえた。う、上目遣いやべえ!!

「うん!いいなあ、赤也の学年は教わってなくて」

なまえ先輩は、さすがイケメン集団と呼ばれる俺らテニス部のマネージャーなだけあって、めっちゃくちゃ可愛い。幸村部長と仁王先輩、丸井先輩のゴリ押し推薦で決定したっぽいけど、すげえ感謝。だってこんな純情系で胸でかくてロリ顔の女、俺の学年にいねーもん。

「でも俺、なまえ先輩と同じ学年がよかったっす」

もちろん下心ありあり。あーあー俺と付き合ってくんねえかなあ。そんな下心を読み取ったのか、それを聞いた丸井先輩と仁王先輩は良い顔をしなかった。けれどベンチに座ったなまえ先輩は、赤也やっぱ可愛い!弟にしたい!、とかなんとか言って俺に抱きついてくる。わ、わ、胸当たってる!
ぐいぐいと俺の下腹部に推定Eカップのおっぱいが当たる。やばい、勃ちそう。

「おいおいなまえ、赤也の策略に乗ってんじゃねぇよ」
「そうじゃ。コイツ勃起してるぜよ」
「えー?」

嘘!!そう思った時には既に遅し、で。俺の半勃ちのチンコを凝視するなまえ先輩。仁王先輩と丸井先輩はにやにやと嫌な笑みを浮かべている。まじ、こいつ等潰す……!!

「や、先輩ちがうんス。別にそういう、えと、そういうこと考えてたとか、全然なくて」

俺の必死の弁解に、なまえ先輩は笑って、いいよ、と言ってくれた。だけどそんな、純情そうな先輩に勃起チンコを見せるなんて、俺、最低。あああ、絶対ドン引きされた。
けれど、そんな俺の不安やら後悔やらとは裏腹に、なまえ先輩は笑顔のまんま。

「赤也溜まってるんだね。あたしも最近全然だもん。自分でしてもイけないしー」
「は、」

あ、あれ?先輩の口から、今、とんでもない言葉が出てきたような。

「なまえ、俺も溜まってるぜよ。今度またパイズリ頼むナリ」
「えーやだよ、雅はいっつもそればっかりなんだもん」
「つか、なまえは仁王の相手ばっかりしすぎだろい。なあ、俺にヤらして」
「嫌。ブン太下手糞だし」
「んなわけねーだろい、俺様の天才的テクでイかせてやるからよー」
「ブン、嘘はいかんぜよ。素直になまえにリードされればよか」

え、え、え?なにこれ、なんだこれ。先輩がそんな、仁王先輩と丸井先輩、と?

「いいもん、一人でするから」
「でもイけんのじゃろ?だったら俺が手伝っちゃる」
「おい仁王!!それ抜け駆け!!」
「んー」

完璧にフリーズした俺の脳みそ。先輩を見つめていれば、機能停止した脳みそが、先輩の右手がスカートの中にあるのを認識した。微妙に動くそれを見て、体が硬直する。こ、これってまさか……!!

「あー駄目、やっぱあんまり気持ちよくない」
「じゃあ3Pは?仁王のチンコなんて死んでも見たかぁないけど」
「奇遇じゃなブン。俺もじゃ」
「えーそれもちょっとなぁ……気分じゃないし……あ!!」

あぁ駄目だ、先輩は丸井先輩たちとそういう関係だったんだ。俺のなまえ先輩の理想像がガラガラと音を立てて崩れていく。勃起したチンコもどんどん元に……ってあれ、

「せ、先輩?」
「ね、赤也、あたしとシたくない?」

先輩の白くて細い指が、俺のチンコをやわやわと触る。ぴったりと胸が俺にくっついて、第二まで開けられたボタンのせいで俺の位置からは先輩の豊満なおっぱいとレースつきのピンクのブラが見えっぱなし。

「え、あの、俺」
「だめ?」

理性が歪む。動き続ける先輩の指。や、やべえってこれ。仁王先輩と丸井先輩がなんか言ってるけど全く聞こえねえ。

「あ、お、俺も先輩と、」
「あ!!」

先輩の肩に触れて、力を入れようとした瞬間。先輩はなんだか思い出したような声を上げる。そうしてスッと俺から離れていった。

「幸村に予定表の再提出してって言われてたんだあたし!!」
「え」

急に慌てだした先輩が、机の上に無造作に置かれた鞄からプリントを出す。「幸村が入院してるからさー私がやんないとっ」とまた可愛い声で言うもんだから、俺の口は開きっぱなし。丸井先輩と仁王先輩がケラケラと俺を見て笑っている。だけど、

「赤也、また今度ね」
「ん!?」

プリント片手に持ったなまえ先輩が、俺の口に自分の口をくっつけた瞬間、その笑い声が聞こえなくなった。両頬に手を添えられて、先輩の舌が俺の口ん中に入ってくる。妄想の中では、俺が少し怖がる先輩にしてあげるはずの行為だったのに。
初めてのベロチュー、やばいまた勃起しそう。

「じゃ、行ってくるー」

俺から離れた先輩が、手を振って部室を去っていく。

「強烈だなぁ、なまえ」
「赤也には刺激が強すぎたんと違うか?」

先輩達が、盛り上がった俺の股間を指差して笑った。

「……トイレ行ってきます」
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -