※ミュの人が出てきます
「かっこええ〜」
このくりくりおめめがたまらん! とか言いながら雑誌に目を通すなまえは俺の彼女や。こいつが見てるんはなんとかちゅうアイドル雑誌。そこそこかっこええ連中が載ってるらしいけど、ま、俺には敵わんな。
「かっこかわええってこの人のこと言うんやろうな〜……」
「こんなんカッコ良くも可愛くもないわ。お前の眼は節穴か」
「ああん?」
ぎろりと睨まれた。なまえの開いているページには、黒髪の、まぁかっこええんやないかっちゅーレベルの男がおった。名前は佐藤…………読めへん。
「俺のがカッコええやろ」
「はぁ? さとちゃんのが数倍カッコええわ」
「はぁ? なんやその"さとちゃん"て。知り合いか」
「はぁ? んな訳あるかあだ名じゃボケ」
なまえはずっと雑誌を見ながら俺の言葉に返してきて、こっちを向こうともせぇへん。機嫌が悪くなったのか、ページをめくる速度を上げたなまえ。しかしその手はあるページでぴたりと止まった。
「びしんくんもカッコええわ〜」
「ああ?」
"びしん"てなんやねん"びしん"て。それもあだ名か。
開いているページには、やっぱりちょお男前な奴がおって、ポーズを決めながらこっちを見ていた。
「めっちゃかっこええ〜」
「普通に俺のがカッコええやろ」
「あんたは圏外」
「ああん?」
俺がそう言うと、なまえは雑誌を読み終えたんかそれを無造作に投げた。そしてのそのそ動いてベットの上に上がる。何をするのかと思えば、布団に潜り込んで寝息を立て始めた。舐めてんのかこのドアホ。
「……」
そっとなまえの雑誌を手にとって開いてみた。
「……なんや、そういうことかいな」
3次元2.5次元2次元ごっちゃごちゃ