ちっちゃくなっちゃった
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かめにんの言う道順からして東ラント道か。てことは目の前の川はラントの街に繋がる水路かーとか呟いてなんとなく手を突っ込んでみる。思ったより深いなー。
ゲームで何回ここ通ったか……見覚えあるのも当然だね、うん。
「とりあえず、ラントに行こう…」
呟いて近くにあったリュックを背負い、剣を拾って持ち、歩き出した。
あ、盗ったわけじゃないよ。このリュック、良く見たらあたしのやつと同じだし何故か中にMyサックス入ってたし(どうやって入れたんだ!)。楽譜とかその他諸々までも。
剣は…まあいっか。ヒュー君愛用してて両剣の使い方はなんとなし分かるし、あと手に馴染む。んで何故かあんまり重くない…まさかあたし馬鹿力?
…兎に角目指すはラント!
待ってろ、ラント3兄弟!なーんて意気込んだはいいけど…いやー困った、あははっ。坂登ったのは問題ないよ寧ろ目的地に近付いたから。
問題はというと魔物。
何で魔物こんなたくさんいんの?そこらの魔物見る限り幼少期だろ〜。しかもめっちゃ睨んでくるし……。
「はぁ……仕方ない、戦うしかないかぁ」
拾った両剣を抜刀する。今思ったけど鞘二つ抜くの面倒臭い。抜刀を合図に襲い掛かって来たヒヨコことピヨピヨ2体と熊ことベア1体。多対一じゃんかメンドクサイ。
まぁまずは小手調べ。自分がどこまでやれるのか確かめないとこの先困る!
そう意気込んで魔物に突っ込んで行……
「うわっ!」
飛び出した瞬間をベアにいきなり攻撃された。防御ギリギリ間に合っだけど、さすがに図体がでかいだけあって一撃が重い。熊の馬鹿力めこっちは子どもだぞ加減しろや!!
渾身の力をこめて敵を弾き飛ばし、何とか距離をとる。腕力が増えたのか軽々振るえるけど、今のあたしの身長と比べたら剣がデカすぎる。大振りしようものなら逆に振り回されるし……なら逆にそれを利用すれば…!
ピヨピヨ2体が並んで向かって来るのが見える。
「試してみるかな……」
ふっと息を吐いて駆け出し、高く跳躍して敵の真上へ。異様に身体か軽くて低く見ても3mくらい跳んだ。あたしこんな高く跳べたっけ?まいっか、テイルズだし。10歳が2、3m跳ぶ世界だし。跳べなきゃやってられないか。
狙いをつけて、剣寝かした状態で下に投げた。その勢いのまま空中で縦に一回転して剣の柄に踵落としを叩き込む。敵は計算通り縦に真っ二つ。
消えるのを目の端に捉えると、直ぐさま顔を上げて、唸りながらこっちへ来るベアに備える。
「こっちも伊達にテイルズやってた訳じゃないよ……」
口角を上げニヤリと笑って駆ける。あたしの運動神経と動体視力、はたまた厨二病具合を舐めないでほしい。歴代の技の動きぐらい完璧に把握してるっての!
「くらえ、斬風牙!!」
使う技はもちろん青年期のヒュー君のもの。予想外に腕疲れるんだねコレ…使いまくってゴメンよ。斬り傷を負いながらもまだ向かってくるベア。どんだけタフなのだろうか。
暴れんのめんどいし疲れるしなぁ……あ、そうだ、?術って使えるかな。
「詠唱…はなんでもいいや。燃えろ弾丸、当たれ!ファイアボール!」
おぉ、成功だ。あたしの頭上から三つの火球が放たれた。直撃して倒れ、消えるベアに背を向けて鞘を落とした所まで戻る。
技のモーション……お遊びでマスターしててよかった。それにしても魔術使えんだねトリップ特典?あ、ここグレイセスだし輝術か。
にしても邪魔だなコレ原作みたいに二本に分かれ………た。うぇーい、二刀流vV
憧れのロイドの技使えるじゃん斬光時雨使えるじゃんあんなに早く腕が動くかは分からんが!!あ、あたしはTOSではロイド君愛用者です。どうでもいいけど…………。
それからあたしは近寄ってくる魔物に向かって魔神剣連発なりファイアボール時たまライトニングを放つなりしつつ、ラントに足を踏み入れた。
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