prologue[2/2]


「やった!やっとクリアできたぁ!」


あたしはコントローラーを手にガッツポーズした。いやぁ、長かった……。
今はエンドロールがつらつらと流れているテレビの前でケータイを開く。

『今クリア!あたしの勝ち〜』

それだけの文章を打って送信ボタンを押す。送信先はもちろん幼馴染みの竜牙と百合だ。
ちなみに今までの勝負内容はD、D2、S、A、Iだ。あたしが2勝、竜牙が2勝、百合が1勝だったからこれであたしの勝ち越しに…フフフ。
ケータイが鳴る。返信早いなオイ。


「3件…?」


1件は竜牙から。

『やっぱやったのかよ!畜生、次はTOVだ。今度こそ勝つ!』

竜牙らしいなーと爆笑してしまった。つか当たり前だバカヤロー。2件目は百合。

『え、もう?流石、早いね花梨。私もこれから進めるよー』

相変わらず可愛らしい反応返してくれよるなぁ百合は…と和みつつ3件目を見る。
…知らないアドレス?文面は、

『お気をつけて。健闘を祈ります』

間違いメールか?つかどんな内容だよ。
首を傾げていると、目の端でテレビが急に暗くなったのを捉えた。コントローラーの電池でも切れたのか?って、早くしなきゃエンディング始まっちゃうじゃんか!

ケータイを握ったまま慌てて画面を見ると、表示されていたのはいつもの文字じゃなくて……。


「『ようこそ、テイルズオブグレイセスの世界へ』…?」

声に出した直後、あたしは目が眩むほどの光に包まれ……



悲鳴をあげる間もなく、意識は闇へと消えていった。




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